人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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2.初恋【幻水Ⅱ:赤青】

(あ、り、え、な、い!!!)
憤懣やるかたないといった表情で、目下少年は己の境遇を呪っていた。そんな少年とは対照的なのが、彼を囲む二人の女性。尤も対照的とは云いつつも、同情的な表情を浮かべているのが少年の姉で、やるならとことん徹底的にと悪ノリしているのが少年の従姉である。
「ウン、上出来。どこから見てもちゃんとしたレディだ。可愛いねぇ、マイクロトフ」
「…ちっとも嬉しくない」
ブスリと不貞腐れて、半ば強制的に着飾らされた少年───マイクロトフは答えた。このような恰好が可愛いと云われても嬉しい筈がない。マイクロトフはレディなのではなく、れっきとした男なのだ。自尊心が傷つく。
「何を云っているんだい。罰ゲームがかかった勝負に負けたのはマイクロトフだろう?」
自分の腕を過信して油断したね?従姉殿は何処までも己の心中を見通しているらしく。かんらかんらと豪快に笑う彼女を前にマイクロトフはぐうの音も出ない。
確かに。慢心があったのは事実だ。同じ年頃の子供達と張り合って自分が剣で負ける訳がない、と思っていたから。
事の発端は、騎士見習として幼年学校で学ぶ友人達との剣の勝負だった。ただ腕を競うのもありきたりで面白味がないから負けた奴は罰ゲームな、などという条件を二つ返事で受けてしまったのだが。まさか自分が負けるとは思ってもいなかった。
後年、栄えあるマチルダ騎士団青騎士団長として逞しく成長するマイクロトフも、この時分はまだまだ成長途上だった。筋肉も薄く、体つきも子供独特の丸みと華奢さが残っている。加えて、変声期もまだ迎えてはいない。
だから、短く刈り込んだ髪は鬘を被るとして。ドレスを着せて少しばかり化粧を施せば、いくらでも化かせるのだ。当人にとっては甚だ不本意なことではあるけれど。
「男の子なんてすぐ成長するものだからねぇ。こんな遊びができるのも今のうちだよ。良く似合ってる。そう思わない?ねぇ、キルシュア?」
「ヒルダ、あまりマイクロトフを苛めないで。マイクロトフも、無理しないで」
嫌なら脱いでおしまいなさい?容赦ない従姉とは違い優しい姉は弟の心中を慮って助け舟を出してくれたが、マイクロトフはその申し出をやんわりと拒んだ。
「マイクロトフ?」
条件付きの勝負に負けたのは、自分なのだ。罰ゲームの内容が嫌だからといって逃げる訳にはいかない。不本意な恰好に自尊心は傷つくけれど、それ以前に敵前逃亡は男の沽券に係わる。
「嫌だけど……退く訳にはいかない。だって、約束だから。約束は守る」
毅然と告げるマイクロトフを見つめ、二人は少しばかり驚いた顔をした。が、すぐに嬉しそうに微笑む。
「参ったね。カッコイイじゃないか。数年先が楽しみだ」
きっとイイ男になっているよ。
ねえ?と従姉が姉に同意を求めれば、彼女もまた微笑みながら小さく頷いて。そんな二人は代わる代わるにマイクロトフを抱きしめてくれた。


ロックアックス最大の祭でもある『夏至祭』に女装して出掛ける───それが件の罰ゲームの中身だ。
目印とした木の幹に凭れて両腕を組み、仏頂面でマイクロトフは友人達を待っていた。従姉がいろいろな意味で張り切ってくれたお蔭で、見てくれは完全に少女に化けている。誰もこれが未来の騎士様だとは思わないだろう。
綺麗に結い上げられた黒髪に漆黒の瞳。瑞々しい果実を思わせる唇。まるで人形のような愛らしささえ漂わせるが、如何せん仏頂面で総て台無しだ。
(全く…ッ)
眉間に益々深い皺が寄る。そろそろ約束の刻限だというのに、友人達は誰一人として姿を現さない。女性を敬うのは騎士の本分の一つである。自分達は騎士ではない、未だ卵の存在であるが、それにしても女性──ではないのだが、この際目を瞑って──を待たせっぱなしというのは、騎士としていただけないと思う。
皆が来たら、「騎士の風上にも置けない奴らだ」と精々文句を云って気を晴らそう。そう心に誓うマイクロトフだ。
憮然とした表情を崩さないまま、マイクロトフは往来の人々を見遣った。どの顔も夏至祭を前に楽しそうだ。自分だってこんな恰好でなければもっともっと楽しめた筈だ、とマイクロトフは思った。思って、今更なことを考えてしまう己の女々しさに嫌気が差す。何度も繰り返すが、勝負に負けたのは自分なのだ。
「誰でもいいから早く来ればいいんだ。手持ち無沙汰でいるから、ロクでもないことばかり考える」
知らず愚痴ったマイクロトフは、ふと己を見ている視線に気づいた。
「───?」
瞳が合えば、その持ち主はマイクロトフの知らない少年だった。年頃は同じくらいだろうか。しかし、幼年学校でも見たことはない顔である。尤も、ロックアックス在住の少年皆が皆騎士になるとは限らないから、町屋の子供かもしれない。流石にマイクロトフもそこまで交友関係が広い訳ではなかった。
じっと食い入るようにこちらを見つめてくる不躾な瞳が煩くて、マイクロトフは思わず相手を睨みつけた。すると、相手は慌てたように一度瞳を逸らし、それからまた恐る恐るといった態でまた見つめてきた。ここら辺では珍しい菫色の瞳は随分と雄弁だ。大方声を掛けるべきかどうか逡巡しているのだろう。
(な、何を勘違いしているんだッ!)
この恰好がつくづく恨めしい。こんな恰好をしているから、間違われるのだ。いっそ俺は男だ!と、これでも騎士の卵なんだぞ!と怒鳴ってやろうか。
益々眦をきつくしたマイクロトフはフンとそっぽを向くと、淑女にあるまじき大股でその場を離れたのだった。
「・・・あ」
マイクロトフは知らない。
そのほんの一瞬の───しかし、マイクロトフ自身にとっては最低最悪な出逢いが。誰かにとっては<初恋>となり得たことを。
その時の想いを彼が聞かされるのは、もっとずっと後のことである。

365題 お題配布元:capriccio


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チケ争奪戦だけどな

今朝起き抜けの寝惚け頭に飛び込んできた。
LUNA SEA一夜限りの復活!?
2007年12月24日in東京ドームで一夜限りの復活を果たす模様。
7年ぶりに5人揃ってを見られる訳ですよ。
つか、もう7年も経つのかあれから…。涙で霞んで見えないよだったラストライヴからもう7年も経つのか…。
素直に嬉しいです。
たとえこの一夜限りの限定復活だろうと、以後復活の予定はなかろうと、あの5人に再び逢えるなら。
本当に大好きなバンドだったから。
真冬の野外も真夏の野外も伝説の10万人ライヴもソロ活動後の復活ライヴも勿論ラストライヴも全て見に行ったから…私の全部だったから、今回も見に行きたいに決まってる!
チケット代…9,500円だけど。確かに少し割高な気もするけど、今の私なら出せるさ(苦笑)。>その週末は冬コミだけどな。
ただ、問題は。
間違いなくチケ争奪戦だろうということ。FC優先でも抽選だし。
取れたら絶対行く!
でも、取れなかったら潔く諦める!
最早そういう意気込みで。



ウルトラどうでもいい話。
私の中の元親って誰がイメージなんだろうとずっと考えてたんですが。
ああそうか、J君だったんだ…。
私の中のチカのイメージはJ君でした。彼もアニキだ(苦笑)。


アレ???

古本屋に本を売りに行くと…売りに行くだけでは済まないのは何故だろう(苦笑)。
今日は休暇を取っていたので、午前中に「ま●だらけ」へ同人を売りに行って…結構なお金になったわと思ったのも束の間、それ以上に買い込んで帰って来ました。>アレ?
お財布の中身的には完全に赤字だってばよ(苦笑)。
REBORN!と小政と半分半分のラインナップ。
つか、先週買った夏コミの新刊がまだ読み終わらないってのに、何やってんだ私。
まあ、いいさ。
これで英気を養って、また明日から来月頭にある研修の資料を作るさ。>研修の講師って、一体何説明すりゃいいんだか…。


今週末には書きかけの小政をアップできればいいなーと思います。頭の中では温~くいちゃついてる話になる予定なんです、が(苦笑)。
365題の方は次は赤青の予定です。

友好祭

GARDEN:365題ログ格納。
更新という訳ではないのですが、365題ログをそれぞれの部屋に格納しました。鋼の2本はお題ページから飛べます。


横田基地友好祭に行ってきました。
基地に足を踏み入れた途端、世界が違っていました。>確かにアメリカだった…(苦笑)。
輸送機のコクピットに座らせてもらったり、戦闘機見たり、軍人さんと写真を撮ったり…ここぞとばかりに好奇心を満たしまくったというか。
狭いコクピットで操縦桿を握らせてもらった時は、もう興奮した(苦笑)。まるっきり子供と同じ。「スゲー!」しか言葉が出てこない。
そういえば、子供の頃“ヒコーキ乗りになりたい”とか何とか…文集に書いたことを思い出したよ(苦笑)。
食べ物はとんでもなくアメリカンでした。いろんな意味で。
毒々しい色したゲータ●ードとか、噛み千切れなさそうなステーキだとか、見るからに激甘そうなケーキとか…流石にちょっと引いた(苦笑)。>お昼は何故かトルコ料理に落ち着いた。
そして。
当然のことですが、終始英語が飛び交ってました。
何かを買うにしても相手が相手なので、英語を使わざるを得ず。気さくにいろいろ説明してくれる軍人さん達も説明は英語だし…ね。結構英語の勉強にもなりました、よ。
お蔭で航空自衛隊のブースでの日本語が凄く安らいだ(苦笑)。

デモに参加する訳ではありません

明日は友達と横田基地へ行ってきます。
友好祭だイエ~イ。
ある日突然友達にメールで誘われました。>つか、何でピンポイントで私?
後日誘ってくれた理由を訊いたら、「好きそうな奴を思い浮かべたらまっ先に思い浮かんだ」ソウデス(苦笑)。
イヤ、まぁ本当にそのとおりなんですが。
行こうと思ってもなかなか足を踏み込めない場所なので、この際思いっきり楽しんでこようと思います。そして、アメリカナイズされてくるがいいよ…。
ただねぇ。
唯一の難点は、とんでもなく早い出発だということ。朝の4時ってのは……如何なものか(苦笑)。>テンション低いぞ、きっと。

そういう訳で月曜日は休暇を取りますね、横田基地に行ってくるんで。と上司に云ったら。
「…デモ?」
などと云われました。どんな切り返し…(苦笑)。



50.恋をしてから負けっぱなし【戦国BASARA2:小政】

政宗様、と小十郎が低い声音で呼ばうと、政宗はフルリと微かに身を震わせ、それからこちらを威嚇をするかのように鋭い眼差しで睨みつけてきた。
Shitと忌々しく舌打つその様は、彼が憤っている時に見せるそれではなく、寧ろ焦れている或いは本心では戸惑っているもののそれを悟られまいと虚勢を張っているようで、いっそ可愛らしいとさえ思えて苦笑を隠せない。無論、政宗のそうした態度の微妙な違いを見分けられるのは、小十郎が如何に長い月日を彼と共にしているかの証明ともなる訳なのだが。
「政宗様」
そろりと手を伸ばし、頬に触れる。何処ぞの生娘のように反射的に躰を強張らせて隻眼を閉じた政宗だったが、それも一瞬のことで、すぐにその瞳には本来の光が宿った。
「お前…ズルイ」
「狡いとは…これはまた随分な云われ様」
この小十郎の何処が狡いのか。お聞かせ願いたい。
武骨な手で戯れに頬を撫でながら、小十郎は意地悪く尋ねる。こんな云い方一つで政宗の想いを推し量ろうとしている、それこそが狡いのだとは充分に自覚しているのだけれど。
「そんな瞳で見られたら…ッ、身動き取れなくなるだろ…ッ」
「瞳、ですか?」
小十郎が問い返すと、やおら羞恥心を煽られたのかはたまた居た堪れなくなったのか、政宗はドンとぶつかる勢いで小十郎の胸許に顔を埋めてきた。突如落ちてきた躰を抱き留めたが、政宗は顔を上げないままくぐもった声で告げた。
「俺ばっか負けているようで…面白くねェんだよッ」
生来負けず嫌いの政宗は、勝負事において負けることを何よりも嫌う。戦然り。その気質のままに、おそらく艶事もそうなのだろう。色恋沙汰に明確な<勝ち>も<負け>もないと小十郎は思うのだが、それを説いたところで拗ねている政宗が聞き入れるとも思えない。
「俺ばっか負けっぱなしで…悔しい」
何を云い出すのだろう。
いつになく素直な若龍の吐露が可愛らしく、小十郎は知らず口許を綻ばせた。そうして、今しがたまで頬に触れていた手を背へ回し、あやすようにゆっくりと撫でる。
「何を仰るか」
彼は自分を狡いと詰るけれど。勿論それについては自覚しているし、そうあっても不思議ではない程度に彼よりも歳を重ねている。
身動きが取れなくなるというのならば。寧ろ自分の方がそうだと小十郎は思う。政宗の一挙一動が己を縛る。目を離せない。
「本当に。負けず嫌いの貴方のお言葉らしいといえばらしいのでしょうが。ならば、知らず政宗様が仰るところの<そんな瞳>で貴方を見てしまう小十郎の方が既に負けているのではありませんか?」
「What?」
「明確な勝敗をというのであれば、寧ろ小十郎の方が負けておりますよ」
漸く顔を上げたと思えば、疑わしそうに見上げてきた政宗を小十郎は愛しげに見つめた。
「貴方を知ってから……私の方が負けっぱなしです」
「……ッ」
彼の素直さに煽られて告げてみれば、何を察したのか政宗の目許にサッと朱が差した。




「…ダメだ。お前には勝てる気がしねェ」


365題 お題配布元:capriccio



拍手お礼小噺追加しました

更新らしい更新…という訳でもないのですが。
拍手のお礼小噺を2本追加しました。
カイ王と小政です。最近BASARAづいております…。


夏のパーリィに行って参りました。
うん、リストアップしていたものは9割9分9厘方買えたのでヨカッタヨカッタ。
唯一、最後に並んだ大手さんの新刊を買い逃した(>途中完売)のが心残り。…通販で買うか。
でも、並んでいる間隣のお嬢さんといろいろお話をしていたので退屈はしませんでした。寧ろ楽しかったよ。お相手してくれてどうもありがとうございました。無事にお目当ての御本を買えたでしょうか。
というか。
17日は殺人的な暑さでした。朝の天気予報じゃ、日中は34℃くらいとか云ってたのに…ウソだね。もう溶けそうだったよ。お蔭で愛用の旗指物タオル(九曜紋)がびっしょびしょ。ついでに服も汗で見るも無残なことに…。
そんな中、よく倒れずに干乾びずに頑張って帰宅できたな(苦笑)。偉いよ、私。よく体力があった!>今年も黒酢バーのお蔭かもしれん。

Too Hot!!

この殺人的な暑さは一体何なのか、と問い質したい今日この頃。
最早陽光が凶器です。痛い。紫外線が痛いから!
家にいても暑いだけなので、お盆中も仕事に出ています。>逃げ場だったジムもお盆休みに入ってしまったので。
こういう日はクーラーと仲良くしているに限ります。少なくとも、職場はクーラーが効いている(苦笑)。

明後日は夏コミですが、少なくとも明後日くらいまでは関東は猛暑が続くらしいので。
とりあえず、暑さ対策を万全にしておかないと。>待ちの間に熱中症で倒れでもしたら、笑うに笑えねェ。
お買い物リストも作ってみましたが…ちょっと、私生きて帰れるかしら(苦笑)。もの凄い量なんだけど…。


午後から学内で某映画のロケがあるのですが。
3月までいた部署でロケをやっているので、用事はないのに無理やり仕事を作って覗いてこようと思います。暑くて死にそうだけど。>だって、松●●来るって…。


拍手お礼小噺入替

拍手小噺を入替えました。
現在サナダテのみ1種です(苦笑)。
金曜日の午後に内職がてら書こうと画策していたアレです。>結局いろいろあって職場での内職は断念しましたが。
これから徐々に追加していこうと思います。次はカイ王あたりかなあ。
旧小噺については、TITLEページに格納済みです。
ちなみに旧小噺は、シュウ主・赤青・カイ王・ギゼ王・ヒュロイ・ハボロイ・小政でした。

時間潰し

そろそろ巷ではお盆休みに入るのか、道路がエラク空いている気が。>ウチはお盆とか全然関係ないケド(苦笑)。
但し、仕事自体この時期あまりないので、出勤していても結構ヒマだったりする訳です。
…いっそのこと休暇入れときゃ良かったよ。
午前中のうちにタダでさえ少ない仕事を全部(それこそ来週の分まで)片付けちゃったので、さて午後はどうやって時間を潰そう(苦笑)?
とりあえず、午後は拍手小噺入れ替え用のストックを書いているかなぁ。>もう何しに職場に来ているんだか。


という訳で。
午後から内職です(苦笑)。
拍手小噺用のサナダテ書いてます。

シリーズ完結

新田一実さんの姉崎探偵事務所シリーズが完結しました。
霊感探偵倶楽部シリーズから数えて53冊。足掛け15年。
15年もお付き合いしていると何やら感慨深いものです。
どんな形で終わりを迎えるのかとずっと思っていましたが(いっそずっと続くといいよとも思ってた/苦笑)…竜憲と大輔らしい終わり方だったな、と。
考えてみれば、10年以上も同じシリーズを根気よく買い続けていたのはこれくらいかもしれません。それくらい大好きでした。
というか、完結して改めて年数の長さを思い遣ったよ(苦笑)。
とりあえず、また1冊目から読み返します。>う~ん、壮大だな。

192.今から楽園へ行くのです【幻水Ⅴ:フェリゲオ】

血の匂いがする、と男は鼻先を近づけ云った。血と汗と、それから硝煙の匂い。
まるで子犬がそうするかのように鼻をひくつかせる男のなすがままにさせておいて、ゲオルグは苦笑混じりに「当たり前だ」と答えた。
「組織に邪魔な人間を消してきたばかりなんだ。嫌ならさっさと退け、フェリド」
ミッションを完遂して戻ってきたばかりのところをいきなり捕まえられ、男の私室に引きずり込まれるや、無闇に広いベッドに抛り出された。スプリングの利いた柔らかなそれに躰ごと抱き留められる。
ファミリーにおいて閣下と呼ばれる男の右腕であり、護衛であり、随一の狙撃手であり、男の情夫という顔を持つゲオルグだが、流石に首領への報告もそこそこに私室に連れ込まれるとは予想だにしていなかった。
「フェリド!」
「血の匂い上等。…ソソる薫りだ」
張り付けられたベッドの上で見上げたフェリドがニヤリと笑う。無意識にゲオルグは彼を押し退けようとした。
「なに一人でサカってるんだ!」
「ヒデエ云い方だなァ。命を張った後なんだ。テメエじゃ抑えられないくらい高揚するだろう?おまけに、指を咥えてずっと我慢していたこっちは血と汗に塗れた姿を見せつけられてるんだ。視覚と嗅覚への刺激が強すぎて、いい加減ヘンになってもしょうがないって思うだろ?」
「だからって…」
それがこの状況を説明する理由になるのか。なおも云い募ろうとしたゲオルグだったが、咬みつかれるような激しいキスをされて断念せざるを得なかった。
「んぅ…ッ」
容易に息が上がる。フェリドの言葉は半ば図星で、だからこそ容易く火が点いた。そうなれば、最早理性でどうこうできるものではないとゲオルグも本能的に理解している。
それを見透かして狙ったように情事を仕掛けてきたというのなら、フェリドもたいした策士だ。
「これっくらい獰猛な気分で丁度良い」
そもそも錆びた血の匂いは雄の本能を刺激するから。そう呟いて、フェリドは笑った。忙しく這い回る節くれだった指先は、ゲオルグの身から少しでも早く官能を引き出そうと躍起になっているようだ。
ギシとベッドが軋む。
「お前が生きて還ってきたことを───まずはこの躰で確かめさせてくれよ」
報告はその後で充分だ。
筆頭幹部としての立場よりも恋人としての立場を優先させる男の我儘を、どこか嬉しく感じてしまうのは不謹慎だろうか。
「フェリ…」
「さあ、楽園に往こうぜ」
囁く声とゆっくり沈んでくる躰。
今にも喰い破られるのではないかと思うほどの激しい情念。それらに身を委ねてしまえば、容易に楽園への扉は開くのだ、と。
伸ばした両腕を男の太い首に巻きつけ、理性を放棄したゲオルグはあえやかな喘ぎを零し始めたのだった。




365題 お題配布元:capriccio

100題更新【小政】

GARDEN:TEXT 題名&台詞100題「075:隠された瞬間」(小政+義姫)アップ。>BASARA2部屋からも飛べます。


暑い~暑い~とウダウダしながら書いていたら、突然激しい雷雨に見舞われあえなく中断。だって、書いている途中でデータがぶっ飛んだら泣くに泣けない…。
漸く雷が去ったけれど、より一層ムシ暑さが増したってどういうこと(苦笑)?
おおぅ、この分だと今夜も熱帯夜なのか…。>連夜の睡眠不足決定か?!

…おめでとうございマシタ。>過去形

永禄十年(1567)8月3日。
頭の片隅にはちゃんとあったものの…昨日は誕生日でしたね、政宗様。
おめでとうございます。
この日に当ててお誕生日SSとか書いとこうと(お約束だな)思ったのに、結局間に合わなかった大馬鹿モノですorz
義姫に「政宗様を生んでくれてありがとうございます」と頭を下げるこじゅとか…そういう話を書く…つもりだったの、に。

ああ、でも。
考えてみれば、今の暦でいくと旧暦の8月は来月になるのか。

カッコよく歳をとりたい

7月末に誕生日を迎えてまた一つ歳をとって、友達からおめでとうメールやらバースデーカードやら貰って嬉しいんですが。
実際…まぁ、祝って貰って手放しで喜べるというか、憚りなく年齢を云えるほど最早若くはないんですけど。

でも、気持ちは永遠に二十歳だから!>体力的にはともかく。


歳をとったねーとか云って自分を追い込みたくないんですよね。そう云って、自分から老けこみたくないんだ(苦笑)。
お互いもうすぐ●十路だよって、貰ったバースデーカードに書いてあったけど。
ヤメテクレ(苦笑)。
そういう実感ないんだから。真面目に考えてもいないし。悲観的にもなっていないし。
というか、そんな風に見られないくらいカッコ良く歳を重ねたいと思います。>当面の目標。




81.弔い【鋼:ヒュロイ】

鏡の向こう、やや憔悴した己を亡羊と見つめ、ロイは上手く笑えていただろうかと考えた。周囲の誰にもそうと悟られずに、或いは宴の主役達にも気取られずに上手く己の役回りを演じきることができただろうか。
(こんな顔では…どうだかな───)
自嘲気味な笑みが口許に浮かぶ。零れた溜息は重く、それにまた疲れたように笑い、首許にだらしなくぶら下がったタイを引き抜いた。
疲れた、と思う。このまま何も考えずに深く眠りたい、と欲する。いっそ目覚められないほど深い眠りでも。無論、現実は眠ることすらできないのだろうけれど。

これからは一人でもちゃんと眠れよ?

母親か何かと勘違いでもしているのではあるまいか。そんなお節介甚だしい言葉を残して、ヒューズは彼が選んだ女性と結婚した。誰からも祝福される、そんな二人だった。
新郎新婦二人の心根そのままの温かな披露パーティ。その席にロイは新郎の親友として先程まで出席していた。凡そらしくもなくどんちゃん騒ぎに付き合って、新たな家庭を持つ親友を祝福した。
お前も早く結婚しろ、等しく幸せになれ、と煩いくらいその席で語られ、ロイは何度も余計なお世話だとばかりに顔を顰めた。
本当に今更だと思う。大罪を犯したロイ自身、主体的に幸せになろうなどと考えてもいない。唯一幸せと呼べるものを得られたかもしれないと思うならばそれは彼の存在だが、それも最早潰えたといっていい。
無論、ヒューズが結婚したからといって自分達の表面上の関係に変化が訪れるものではない。今までどおり親友であることに変わりはないし、共に死線を潜り抜けた戦友であり、最も信頼のおける人間だ。
ただ、それらに混じってひっそりと冠していた<もの>が消えてしまっただけで。
「……ッ、」
行き場を失ってしまった、名付けることすら憚られるそれは、このまま誰にも告げられることなく静かに葬られるのだろう。
それでいい。
知らしめることなく、この胸の奥深くに沈めればいい。



「今日を限りにこの想いに弔いを───」





手向けの花などいらないから……



365題 お題配布元:capriccio

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