人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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そんな訳で謹言です

来月の謹言ですが、当日の新刊はこんな感じです。


恐惶謹言十三綱小政新刊


6月の謹言で発行した似非遊郭パロ「契情の檻」の後日談。
晩秋から初冬の季節だというのに、夏真っ盛りのタイトルなのは…元々戦煌で出そうと考えていたからでして(苦笑)。
そして。
現在家政コピ本ともう一本小政を頑張ってます!
どちらも当日までに間に合えばいいなー。

そんな当日のスペースですが、

「THE GARDEN OF SINNERS」き23

になります。
小政エリアの端っこです、たぶん。
発行物等々詳細はまた後日、ということで。


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カボチャ畑でつかまえて【戦国BASARA:小政】


辺鄙な田舎に鎮座する“鳴神神社”を護る宮司、片倉小十郎は、境内の一角にある趣味と実益を兼ねた畑で南瓜の収穫に勤しんでいた。
御社の内に畑を設けるなど罰当たりとは思うが、御社からあまり離れた場所に畑を持ってしまうとこの地の土地神でもあり御社の御祭神でもある龍神様の怒りを喰らう―――というより拗ねられてしまうので、仕方なく境内の一角に設けることにした。確かに拗ねて暴走されては困る。龍神の暴走など徒人には手に余るというものだ。
何の娯楽もない雛の地である。若人に似合わず晴耕雨読の日々を愛している小十郎であったから、当然畑作業に力が入った。お蔭で順調に畑は規模を拡大し、境内の境界が怖ろしいくらいに曖昧になってしまっている。そのうち逆転して畑の一角が境内になりかねない勢いだ。
龍神様を祀る御社がそんな状況でも、土地の者達は然程気にした様子もない。元々おおらかな気質もあるが、それ以前に人口が減って氏子の数が少ないのである。
それでも龍神が鎮座する限り、御社と御祭神を護るのは小十郎の務めであった。それこそ遥か昔、先祖の血が脈々と伝えてきた役目。そして、その役目を小十郎は心から誇りに思っている。誇りに思い、気難しくて高慢でへそ曲がりで我儘で気まぐれで淋しがりの愛しき竜に巡り逢えた僥倖を生涯の光栄と思っていた。
そんな訳で氏子数の少ない神社の宮司は、宮司というよりも百姓の方がよく似合う有様だ。慣れた手つきで収穫をする姿が様になっている。
「よし、今年もいい出来だぜ」
作業の手を止めて一旦立ち上がると、首に引っ掛けていたタオルで汗を拭う。足許の籠には形の良い南瓜が入っていて、その出来のよさに思わず目尻を下げた。そうすると、左頬の傷も相俟ってその筋の男かとつい誤解されがちな強面が、こんな貌もできるのかと驚くほどに甘くなる。
籠の中の南瓜をひとつ手に取り、じっくりと見分をして、口許を綻ばせた。
「この大きさなら政宗様も喜ばれるだろう」
政宗―――小十郎が仕える鳴神神社の御祭神、龍神である。
南瓜の用途―――飾りカボチャはJack-o'-lantern。普通の南瓜は今日の夕食の膳を彩る予定だ。デザートにつけるパンプキンパイかプリン用に残してもいいだろう。小十郎の畑の収穫物は沢山あるので、素材をどう生かそうかと考えるのも楽しい。
「ランタンは俺が作るとずっと息巻いていたからな」
何年か前からこの季節になると必ず『カボチャのランタンを作りたい!』と政宗は言い出した。幸い南瓜なら畑で育てている。それならばと手ごろな大きさのものを与えてみたのだが、どうやら西洋と日本の南瓜では勝手が違うらしい。日本の南瓜は硬すぎて、生のまま彫刻するには向かないようだ。結局その年はランタン作りを挫折して、無残な姿となった南瓜は小十郎の腹に納まった。
『そうだ、小十郎!来年のランタン用におばけカボチャを畑で育てろよ』
何のために此処に畑があるんだと言わんばかりの表情で政宗が言う。
Good idea!と子供みたいな無邪気な笑顔に絆されて―――言うとおりに翌年に向けて南瓜を育てることにした。小十郎としても政宗の笑顔が見られるならば、そのための努力は惜しまない。それくらいこの竜に己を捧げているのだ。
ところが。
おばけカボチャというのは―――種や苗から育てるのは難しいらしい。いとも簡単に政宗は『畑で育てろよ』と言ってくださったが、いざ作るとなると大変なのである。小十郎は小十郎でずっと失敗続きの挫折続きだった。
政宗に劣らず実は負けず嫌いの小十郎は、畑を耕す者として失敗のままで終わって堪るか――政宗に残念な男と思われたくないという見栄もあった――と奮起し、今年になって奮起の成果が漸く現れたのだった。
なかなかの出来に満足げに肯いた小十郎は、南瓜を傷めないようにそっと籠の中に戻すと、母屋兼社務所に戻るべく腰を上げた。
(―――ん?)
母屋の入り口に宅急便のトラックが停まっている。宅急便が届くような予定があっただろうかと思考を巡らせてみたが、小十郎に思い当たる節はない。
そもそも自給自足を旨とする小十郎は宅急便のお世話になるような生活をしていないのだ。宅急便のお世話になっているのは寧ろ政宗の方で――――――。
「………政宗様か」
小さく嘆息をして肩を落とす。
高位の龍神でありながら長く人界に留まり続けている所為か、妙に人間臭くなってしまった竜――しかも人型――は、昨今ネットショッピングがお気に入りだ。つい先日もウサギとネコとどちらが好みだ?などといきなり意味不明な問いを向けられ、答えに窮した小十郎を後目に『面倒だからどっちも買うか』と軽い口ぶりでバニーガールと猫耳の衣装を注文されてしまった。
当然購入は小十郎名義になっている。注文履歴を見て『この男、一体どんな趣味しているんだ』と思われていたら最悪ではないか。下手に世俗に通じている龍神も困りものである。
「まったく…今度は何を頼みやがったんだか」
お願いだから小十郎の名誉だけは守ってほしいものだと―――切に思う。



「小十郎っ」
畑から戻って来る小十郎の気配を察したか、政宗が玄関まで迎えに出てきた。しかも―――トンデモナイ恰好で。
「ま――――…っ、」
人は想像を超えた衝撃を受けると思考が停止する。まさに今の小十郎がそうだった。
あまりの衝撃に大事に此処まで抱えてきた籠を取り落とし、収穫したばかりの南瓜たちがゴロゴロと土間に転がる。
「Hey,小十郎。小十郎?」
「ま、政宗さまっっっ!貴方、なんて恰好しているんですかっっっっ」
驚愕に声が可笑しいくらいにひっくり返った。
「An?なんて恰好って見ればわかるだろ。魔女っ子コスだぜ」
可愛らしい魔女のコスチュームを着ている。魔女ということで元々が女性物なのだろう。下はミニスカートで、黒地の衣装の所為かすらりと伸びた白い脚がやけに強調されている。
政宗は半分放心気味の小十郎に見せびらかすように、短いスカートの裾を摘んでその場でくるりと回ってみせた。
「なあなあ、可愛いと思わねェ?思うだろ?なあ、魔女っ子」
悪びれずに言ってにっこりと笑う。せっかくのハロウィンだから俺も仮装しないとな、などと言って。
「ネットで頼んだんだぜ。これともっとsexyなヤツと。昼間だから自重してcuteな方を着てみたんだが…何だ、小十郎。ひょっとして夜用にとっておいた悩殺系の方が良かったか?」
(の、悩殺系……?!)
そんなコスチュームをどこで注文したのだ?
「政宗様………お願いですから、少しご自重ください。仮にも龍神ともあろうお方が」
「Why?いいじゃねェか、ハロウィンなんだ。少しくらい羽目を外したってどうってことねェよ。だいたい辺鄙な田舎なんだから、少しくらい楽しませろよな」
都会だったらハロウィンパーリィとか仮装して行けるのに、と口を尖らせて拗ねている。土地神でもある彼は此処に縛られて動けないことを承知のうえで言っているのだ。
「お前だって…少しくらい羽目を外して楽しめ」
「―――政宗様」
既に標準装備となって久しい眉間の皺を解すように、政宗の指が擦っている。甘えるように「こじゅうろう」と名を呼ばれれば、此方がどんなに怒っていてもどんなに呆れていても降参である。
竜には敵わぬ。それは先祖代々〈片倉小十郎〉の血に深く刻み込まれたものなのかもしれない。これもまた御先祖が血に施した呪なのだろう。
「あ、カボチャ」
不意に政宗が声を上げた。足許に転がった南瓜に漸く気が付いたらしい。
その中に日本の南瓜とは明らかに異なる―――ハロウィンの装飾で見るようなオレンジ色の南瓜を見つけた政宗の貌がパッと輝いた。
「ランタン用のだなっ、これ?」
「ええ。漸くいいのができました。ランタンをお作りになるのでしょう?」
「Ya!」
「政宗様がランタンを作られている間に小十郎は夕食を用意いたしましょう。政宗様の仰るとおり…せっかくのハロウィンですから」
「小十郎っ」
魔女っ子が飛びついてきた。
「夜は“Trick or Treat”もするからな」
「お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ、ですか?」
どちらかと言えば、政宗はそれが楽しみならしい。
「でしたらデザートにパンプキンパイを用意いたしましょう。可愛らしい魔女に悪戯をされぬように」
「No!小十郎テメエ野暮なことを言いやがって…っ!菓子をくれても俺は悪戯するからな!」
どちらにせよ悪戯をする気満々のようだ。尤もベッドの中で悪戯をされるのはいつも政宗の方なのだが。
思わず、くすりと笑ってしまう。それが面白くなかったのだろう。頬を上気させた政宗に睨まれてしまった。
「小十郎っ、覚悟していろよっ」
「………はいはい」
「今夜は悩殺コスでお前のことメロメロにしてやるっ!」
(まったく―――)

可愛いことを言ってくれる。
そんな衣装に手伝ってもらわなくたって―――とっくに小十郎は溺れているのだ。



原稿中

謹言の小政原稿が終わりましたー!
これから読み直しをして問題がなければ、明日入稿します。
まあ、なんというか…短い話ですが(苦笑)。
もう一本コピ本用に書いていた小政は思いのほか長くなってしまったので(50pくらい?)、こっちは春までお蔵に入っていただくか…。
今は家政のコピ本原稿に入っています。戦国家康×現代政宗のお話。
小政コピ本もまだあきらめてないよ!

運動の秋

運動の秋よろしく、ランニングとかサイクリングとかしたいよなーと思う今日この頃。
ランニングは中、高の頃(=体育の時間)3kmも走れなかったんですけど。
自転車は高校以来乗ってないんですけど。
そんなインドア派の人間ですら体を動かしたくなる秋ってすごいわ…(苦笑)。

悪夢ふたたび

1年半から2年くらい前、秘蔵の『義侠』を知らないうちに他人様にプレゼントしてしまった父にエライ憤慨した私でありますが…。

またもや。

先週買ったばかりの「梵」(しかも“純粋”だって)を知らないうちに飲みやがってた!
封を切ってまだ数口しか飲んでなかったのに~~~っ。気が付いたら瓶だけになってた…orz
…一体どんな仕打ち(泣)。

それにしても『梵 純粋』。
どこに惹かれて買ったかわかろうというもの(苦笑)。

原稿中です

ここ1年

原稿→イベント→原稿

というサイクルが続いていて、少しは落ち着こうかという感じなんですけど(苦笑)。そんな今は謹言の原稿中。
謹言は小政と家政が出せればいいなーと思って、現在頑張っています。
とりあえず、今年は謹言でサークル参加は終わりだし。

司書ムネ本の感想などなどいただいていまして、お返事できないままというのが心苦しいのですが…原稿が終わったらこちらでお返事させてください。
本当にどうもありがとうございます。


ぎゃあっ、

昨日は小十郎の旧暦命日でしたね。
数日前までは命日用に「追悼話を書こう!」って意気込んでいたんですけど…。
ちゃんとネタもあったんですけど。
そんな昨日の私は友人と買い物に勤しんでいまし、た…orz
大概こんな有様で、終わってから思い出すんだよ。←何年か前と同じ。


新暦の命日の時はかならず…っ!←何年か前と…。

本日のおしながき

TEXT 365題ログ格納(小政+孫市、三政)


6月にブログでアップした2本です。

「111.これもあなたの計画だった?」→小政+孫市
「209.鏡の端っこ」→三政


「これも~」はその直前に書いた昨年のお誕生日月間リク「アンコントロール」の続きみたいな話でした。

トマトの日【戦国BASARA:小政】

ああ、畑で陽光をいっぱいに浴びて日々瑞々しさを増す赤茄子のようだ。
目の前で顔を真っ赤にして詰っている可愛らしい主を見ながら、小十郎は知らず頬を弛める。戦場では苛烈さばかりが際立ち、公人としては良き施政者として民草にまで称えられる若き竜だが、こうしてほんの僅かの時間私人に立ち戻り、小十郎の前でだけ見せる素顔は――幼少から一番傍近くで慈しみ、育て、愛情を注いできたという事実を差し引いたとしても――可愛らしいものだ。
「こ、こじゅうろうっ!」
「どうなされましたか、政宗様」
粋な柄の着流しの裾から覗く白い脚。その色の白さは奥州人特有のもので、特に政宗は日に焼けてもその時に赤くなるばかりで、雪膚を失うことはなかった。
対して小十郎は畑仕事に勤しむ機会が多い所為か、日に焼けて肌は浅黒い。それが鍛え抜かれた逞しい体躯によく似合うと政宗は褒めてくれるのだが、翻って自身の色白さをあまり快く思っていないようだ。
どうやら戦人のわりには細い――ともすれば華奢な印象さえ与える――体躯を際立たせるみたいで面白くないらしい。無論彼の肌の白さも筋肉が付きにくい体つきも生まれつきのものだし、それを何ら引け目に取ることもない。そもそも彼の武将の質はそれらを霞ませてしまうほどに輝かしいのだから。
その白い脚を先ほどから小十郎は撫でていた。勿論性的なことを意図してではなく、純粋に主の疲れを解すためである。
「小十郎っっっ」
主にしては珍しく随分と余裕のない―――切羽詰まったような声だった。そんな彼に向かって、涼しい表情で「どうしました?」と再度問うてやる。彼の変化がわからぬような小十郎ではないから、勿論わざとだ。
すす、と優しい手つきで布を撫でるみたいに擦り続ける。ほんのり色づいて敏感になり始めている肌は、ほんのちょっとの触れ合いでも過敏に反応して、それがまた口惜しいのか、政宗は小さな身震いをするたびにきつく左眼を閉ざした。
「政宗様は小十郎の畑の赤茄子のようにございますな」
「な…っ、テメエ。言うに事欠いて主の俺を畑の野菜と同列に扱いやがっ……やめ、それ―――っ」
「小十郎の畑の赤茄子はどれも瑞々しく真っ赤に熟れて食べごろにございます。―――ちょうど今の政宗様のように」
「………―――っっ、」
鋼色の瞳を細めてクスリと笑ってみせる。少しばかり色を匂わせた偽悪的な笑みだ。
「お前が…っ、イヤラシイ触り方しているからだろっ!」
「これは心外な。この小十郎、政宗様のお疲れをとるべくおみ足を揉み解しているだけにございますが」
「You’re liar!」
「南蛮語で申されても小十郎には理解しかねますな」
「Shit!」
忌々しげに舌打ちをして、なおも南蛮言葉で毒づいた政宗は赤く色づいた顔を益々赤くして吼えた。
「い、今が食べごろだって言うならさっさと食えっ!」
ここが潮時だろう。彼のひとをあまり虐めすぎてはいけない。何事も匙加減が重要である。
「御意に」
答えた小十郎は投げ出された主の白い脚に恭しく口づけた。


第1527回「筋肉痛になるまでの日数は?」

久しぶりにトラックバックテーマに挑戦!
テーマは「筋肉痛になるまでの日数は?」だそうで。
筋肉痛…まだまだ若いゼ、動いた当日から翌日には出るもん(苦笑)。
でも、なるべく筋肉痛にならないようにストレッチとか心がけているんですけどね。




40.いつかを夢見て【戦国BASARA:家政】



―――手が届いているのだけれど、でも本当はまだ届いていない。


「なあ、独眼竜」
「Ah?」
筆を走らせていた手を止め、面倒臭そうに政宗が「どうした?」と家康の呼び掛けに応じる。面倒臭そうな素振りながらもちゃんと応じてくれるのは、政宗が心優しいからだ。
戦場では苛烈さばかりが目立つ竜であるが、本当はひどく繊細で優しい生きものたということを果たしてどれだけの人間が知っているだろう。
背後から回した両手を腹のあたりで組み、細い肩に顎を乗せる。
相変わらず綺麗な字だ。字には性格が表れるというが、なるほど政宗の字には彼の繊細さが浮かび上がっている。ちなみに家康の書く字はのびのびと大きく、実におおらかな文字だと言われているが。
筆まめで知られる政宗は、祐筆を立てずにこうして自ら筆を取ることが多い。今も何処ぞへ文を認めていたようだ。
右目殿にか、と当てずっぽうで家康が訊ねると、ふ、と零れた柔らかな吐息とともに肯定の返事が返ってきた。
「なかなか向こうには帰れねェ身だからな」
「…スマン」
「Ha,別にアンタを責めているわけじゃねェよ。適材適所っていうヤツだ。俺が江戸にいても、小十郎ならば安心して奥州を任せておける。なんて言っても俺の右目だからな。たとえ竜が不在でもその睨みひとつで奥州をまとめられるだろうよ」
日ノ本を東と西、二分する大戦は家康率いる東軍の勝利で幕を閉じた。
あれほど欲した泰平の世は、今度こそ等しく皆の前に広がるのだ。その世を築き上げるのは他ならぬ家康である。
無論、家康とてそれこそ残りの全人生を懸けても成し遂げられるかというような大事業を己ひとりの力で為せるとは思っていない。為すためには多くの絆の力が必要だ。
国を興す、国を創る―――己の理想に共鳴してくれ、時には叱咤し、時には聡明なる助言を、或いはこれまでにない大きなものを相手に回してともに闘ってくれる人物。家康の周りを見回した時に最も相応しいのは政宗しか思いつかなかった。
そこに願望が全くなかったとは言えない。けれど、ともに新たな国創りをと頭を下げて家康が懇願すると、彼は乗りかかった船だから仕方ないとばかりに了承してくれたのだ。
『アンタが築く泰平の世とやらを見届けさせてもらうぜ』
と言って。
政宗を江戸に留め置くことになれば、当然彼の国許が空座となる。奥州の守護として独眼竜に匹敵する者を据えるとしたら、竜の右目以外にいなかった。
竜の右目、である。本来ならば、竜本体から離れて然るべきものではない。しかし、右目は不満ひとつ零さずに――腹の裡がどうであれ――奥州の地へ独眼竜の名代として座している。まるで彼の代わりに奥州の地を護ることこそが務めであり、誇りであると言わんばかりに。
理想の世のためとはいえ双竜の絆を犠牲にし、それを別った罪悪感がないわけではないが、それでもなお揺るぎなさを見せる彼らが少しだけ羨ましく、少しだけ妬ける。
双竜の絆は隔てる距離などなんということはないらしい。それほどに確固ということだ。
「なあ、独眼竜」
「だから―――何だ?」
ふう、と溜息をついた家康はふとずらした視線の先にある白い首筋にちゅうと吸いついてみた。途端、「ひゃあ」と素っ頓狂な声が政宗の口から転がり落ちる。
「テ、テメエ…っ、なにしやがる!!!」
「うーん………」
中途半端な返答ぶりに業を煮やしたのか、政宗にごつんと叩かれた。加減をしたのだろうが――たぶんしてくれたのだろうと思いたい――、痛いものは痛い。目からチカチカと星が散るかと思った。
なにしろ六爪を自在に操る手だ。武器を地に伏せて久しいとはいえその握力たるや健在である。
「ったく、甘えてんのかよ」
呆れたように言い、先ほどはごつんと叩かれたその同じ手で今度はぐしゃぐしゃと頭を撫でまわされた。
「ハハ、そうかもしれん。なんだかお前にはいつまでも敵う気がせんなあ……」
「An?アンタ、俺に勝つつもりでいたのかよ」
「そりゃあまあ………惚れた方が負けだとは言うが、そうは言ってもこう…なんというかワシばかり負けっぱなしというのも」
「負けっぱなし…だ?Ha,よく言うぜ」
「――――――独眼竜?」
政宗の言葉に家康はくるりとした瞳を大きく瞬かせた。
どういうことだ。
「………わからねェならいい」
ぶすりとした口調で呟いた政宗は、それきり何も言ってはくれなかった。




自家通販終了しました&発送状況

今回の自家通販は終了しました。
たくさんの方にご利用いただき、本当にどうもありがとうございました。


昨日までに入金確認(銀行振込、ゆうちょ送金とも)ができた方で「クロネコメール便」を選択された方へ、本日ご注文いただいた本を発送しました。
(発送済の方へは個別にその旨のメールを送信しております。)
お手元に届くまで今しばしお待ちください。
また、本日入金確認ができた分については明日発送予定です。
どうぞよろしくお願いします。


在庫に変動が出ています。
小政戦煌新刊「花がすみ」、小政夏コミ新刊「夜宴の外れで【準備号】」は完売しました。
どうもありがとうございました。
「契情の檻」と司書ムネシリーズ「物語みたいな恋をしよう」、家政戦煌新刊「Le Grand Bleu」の在庫が僅少となっています。
小政戦煌新刊(司書ムネシリーズ)「キラキラデイズ」はまだまだ余裕があります。


11月の恐惶謹言に申し込みました。
毎度ながらの滑り込み。
冬コミはサークル参加をしないので、今年のイベントは来月の謹言がラストです。来年は春コミから。
でも、ライヴとセンター試験が控えているとわかっていても冬コミ申し込んでおけばよかったと後悔している今日この頃…。ああでも体力が保たない、よ。だって年寄りだもん(泣)。
自家通販は科研申請と入試シーズン突入なので、謹言後にやるかどうか現在未定です。
↑の後悔が我ながらパネェ状態なので、もしかしたら本だけ作って通販で…っていう形にするかもしれません。
そのあたり考え中。




司書ムネSS更新

TEXT 戦国BASARA「星の雨、降る降る」(小政)アップ。


司書ムネになります。
先月の半ばに十和田湖方面へ旅行に行ったんですが、帰ってきて怒濤のように書き殴り、勢いpixivにアップした話です。
星空観測会というのに参加したんですが、いやまあホントプラネタリウムみたいな星空でした。
天の川もきれいに見えて。
たぶん天の川って初めて見たんじゃないですかねー。
白鳥座とかアンドロメダ座とかアンドロメダ星雲だとかプレアデス星団とか…生で見たー!!!
(白鳥座とかアンドロメダ座とかいうともれなく聖闘士星矢を思い出すんだよ/苦笑)
来年も同じとこに泊まって、今度は八甲田山で夕日鑑賞会に参加したいです。
夕日と星空のコンボで。

書いてます

謹言合わせのコピ本ででも出せたらいいですね、的なノリで小政を1本書いているんですけど。
書いているうちに

あれー?そこはかとなく政小っぽい???

いやいや小政ですから(苦笑)。
いつもとは雰囲気の違う『襲われ攻』っぽい小十郎の話です。
…でも、どシリアス(予定)。

メール返信及び発送状況

通販のご利用ありがとうございます!
また、併せてメッセージをくださる方、本当にありがとうございます!
業務連絡的なメールしかお返しできない現状ではありますが、ありがたく読ませていただいております。

さて、現在までにご注文いただいた方への返信は完了しています。
未着という方がおりましたら、お手数でもご連絡ください。

また、本日12時45分現在で入金確認(銀行振込、ゆうちょ送金とも)ができた方で「ゆうメール」、「レターパック」を選択された方へ、ご注文いただいた本を発送しました。
(発送済の方へは個別にその旨のメールを送信しております。)
お手元に届くまで今しばしお待ちください。


320.薄い膜【戦国BASARA:家政】

(ワシは今まで何を見ていたんだろうなあ―――)
己は今までこの男の一体何を見ていたのだろう。竜を組み敷くという大胆なことをやってのけた家康は間近にある秀麗な貌を見下ろしながら、本当に何を見ていたのかと今更ながらに思った。
恋は盲目とはよく言ったものだ。
二つある眼が見誤った、とは思えないが、募る想いに眼が眩んで己の都合の良いような像を作り上げてしまったということは十二分にあり得る。
「独眼竜………、」
我ながらなんて切羽詰まった声だろうと思う。余裕がないことがありありとわかる、声。
余裕がないのは当たり前だ。ずっと恋焦がれた相手が目の前にいる。
どくがんりゅう、と再度その二つ名を口にすると、呼応するみたいに組み敷かれた躰が小さく震えた。
戦場ではあんなにも好戦的でギラついている一つ眼が、今は頼りなさげに揺れている。一つ眼を縁どる睫毛がふるふると震えていた。
この男はこんなに細かっただろうか。躰は言うに及ばず、腕も脚も。
触れたら消えてしまいそうなくらいに儚げだっただろうか。
虚と実。
一体、どれが本物の竜の姿なのだろう。
「なあ、独眼竜。お願いだから…声を聞かせてくれんか」
「――――――、」
声が聞きたいと懇願すれば、天邪鬼な竜は“そんな要求など飲んでやるものか”とばかりに薄い唇をぎゅっと引き結んだ。力の加減ができないのか、あまりに強く唇を噛むので、噛み切ってしまうのではないかと心配になる。
「そんなに強く噛んだら…唇を噛み切ってしまうぞ?」
強情だなあ、と思わず苦笑する。
この分だと意地でも声を聞かせてはくれまい。鼓膜を震わせる竜の少し掠れた声が家康は好きなのだけれど。
こんな状況になって言うのもなんだが、竜を―――政宗を傷つけるのは家康の本意ではなかった。
どんな些細なことでも傷つけたくはないし、優しくしたい。
そうして、叶うことならば愛おしみたいのだ。
(ああ、本当にワシは―――)
虚像を追っていた訳ではないと思う。
周囲からはまだまだ心許ない少年武将と認識されていた頃、家康は戦場で初めて猛々しい竜の姿を見た。
蒼い雷光を纏い、閃光の如く戦場を駆け抜けるその姿が―――血濡れてさえも美しく、ひと目で家康の心を奪った。後にも先にもあんなに綺麗なものを家康は目にしたことがない。
常に先を見据えている強い眼差しも、時として傲慢にすら思える表情も、強気な物言いも、全てが魅力的だった。
近づけば近づくほど、家康にとってその存在は大きく――そして比例するように憧憬も強く――なって。
いつか竜に相応しい存在に、竜と肩を並べても遜色のないような大きな器になりたいと思っていた。その想いを糧に、家康は今日まで走ってきたのだ。
強い眼差し、傲慢な表情、物言い。どれも彼を彩るものだろう。それは間違いない。
戦場で眼にする彼もまた実だ。
そうして、今。
己に組み敷かれている姿も――――また実。
「独眼竜、」
ひゅう、と晒された白い喉が鳴った。
青灰の瞳が揺れる。
この腕に囲って優しくしたい。
その胸の裡に抱えているだろう痛みも闇もすべて拭ってあげたい。
ああ、けれど。


(―――今のお前にワシの気持ちが届いているだろうか?)


焼け焦げる

台風一過…ということで。
本日は昨日の荒天が嘘のように、です(苦笑)。
(子供の頃ずっと台風一過の“一過”って“一家”だと思っていたんだよなあ。THE 台風FAMILY)
職場の席は、ちょうど日輪を背負う位置にあるので、朝から大層暑いです。
もう秋なのに本気で焼け焦げそう…(苦笑)。

書きたい話がかなり溜まってきているので、時間を見つけてちょこちょこと。
司書ムネ台風話とか…そのうちアップできればと思います。
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安曇

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