FC2ブログ

人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

目が眩んで、全て持っていかれた

馬が嘶き、土埃が舞う。
敵方のものか味方のものか、折れて踏み躙られた旗指物の上で更に多くの兵が間断なく剣戟を交わし、或いは首級を上げ、或いは斃れていく。
戦場───一国を背負う将として決して目を背けることは許されぬ、激しい命の遣り取りの場。
血が、滾る。
つくづく己は戦場が似合いなのだろう。
「政宗様!」
寄手を一纏めに薙ぎ払う。
この双眸に見えるは、晴天に映える蒼───竜の背。
己の往く手を阻むものは何であろうと容赦しない。
「政宗様っ、無茶をなさいますなっ!」
小十郎は先を往く竜の背に向かって叫んだ。
大将自ら先陣を切って敵方に突っ込んでいくのは、どう好意的に解釈しても褒められたことではない。
勇猛と無鉄砲とは決して同義ではないのだ、と常に諌めているのだが───。
(どうにもあの方は───)
「Hey,小十郎!どうした、遅ェぞっ」
俺の背はお前に預けてンだ。早くしやがれ。
どこまでも好戦的な笑みを貼り付けた竜は、襲い掛かってくる有象無象の敵兵を或いは躱し、或いは薙ぎ倒して先へと進む。
一部の隙もなく、また無駄な動きも一切ない。
流れるようなその様は、まるで見事な剣舞を見ているかのようで。
思わず目を奪われる。
目が、眩む。
僅かな隙が、躊躇いが〈死〉へと直結する、こんな場だというのに。
否、ギリギリのところで命の削り合いをしている───こんな場だからか。
その、輝きに魅せられるのは。
「こじゅうろう、」
「───っ、」
命の遣り取りを、削り合いをしている場で。
己の名をはっきりと口に乗せる、唇の動きに心臓が跳ねた。
(斯様な場で───)
「政宗様っ」
掠めた雑念をせめて気取られぬようにと、小十郎もまた敵陣へと突っ込んでゆく。
「Ha!いいねェ」
竜の爪の異名を持つ六振りの得物を自在に操り、容赦なく敵方を斬り伏せながら、血の芳香を浴びて竜が艶めかしく嗤う。
なんて。
性質の悪い。



お題配布元:群青三メートル手前さま



戦場でも何処でも。
どうしようもなく目を惹きつけるもの。
愛して已まないもの。

Comment







(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
Trackback
http://sinners.blog13.fc2.com/tb.php/1052-949ba23b
プロフィール

安曇

  • Author:安曇
  • 今日も元気に生きてます。
カレンダー(月別)
07 ≪│2019/08│≫ 09
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ちびギャラリー
 

presented by.●○紅羽のTWぶろぐ○●
ブログ内検索
RSSフィード
リンク