人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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手も心も温かいひと

政宗様?と訝しげな小十郎の声が耳に届いて政宗はハッと我に返った。
「Sorry…聞いてなかった」
確か先の合戦で伊達に下った領国の検分をどうとかいう話を小十郎から受けていたような気がする。
が、如何せん心此処に在らず、で途中から記憶が途絶えていた。
素直に己の非を認めると、眼前に座した小十郎はやれやれと肩を竦め、嘆息してみせる。
「如何なされました?先ほどから小十郎の手ばかりを熱心にご覧になられているようですが」
小十郎の手など熱心に見つめても面白くありませんぞ、と苦笑混じりに小十郎は続けた。
「面白いつーか…」
「政宗様?」
手を伸ばして小十郎の左手を取った政宗は、暫しの間じっと自分のものよりひと回り大きくて武骨な左手を凝視した。
そして。
「…俺、お前の手が好きだな」
少年のような無邪気さで小十郎にそう告げる。
その無邪気さに些か面喰ったように。
「小十郎の手、ですか?」
「Ya,お前の手に包まれていると───安心する。試しにお前の手と同じくれェの大きさのヤツ掴まえて触れてみたんだが…やっぱ駄目だな、全然違う。どうやらお前の手じゃなきゃ安心できねえみてェだ、俺は」
「政宗様…それで、ウチの若い連中が混乱していた訳ですね?」
「What?混乱?」
政宗は知らなかったが、小十郎の話によると伊達軍の若い衆の一部──皆、小十郎並にガタイのイイ連中ばかりである──が『筆頭に手ェ握られた』といって大混乱に陥っていたらしい。
性質の悪いことに、政宗の中の法則──小十郎と同じくらいの手の大きさの持ち主──に遵って政宗は触れているので、誰彼構わずという訳ではない。当然法則から外れた者には触れない訳だから、同じ伊達軍でありながらそこには触れられた者とそうでない者とが出てきて、それがまた更に混乱を煽ったらしい。
なにしろ政宗は伊達軍のカリスマである。
己の奔放な行動が与り知らぬところで騒動となっていたことを知って、政宗は思わず左眼を瞠った。
「Oh,そいつァ…悪かったなァ」
「政宗様、」
浅慮を窘めんと渋面を作る小十郎に反射的に首を竦めてみせた。
「して、小十郎の手でなくては安心できぬと確認して…政宗様がお好きなのは小十郎の手のみでございますか?」
思わぬ小十郎の切り返しに政宗の柳眉が引き上がる。
「何云ってんだ、小十郎」
Ha!と小気味良い笑いが室内に響いた。



───もちろん、お前自身が<一番>に決まってるだろう?



お題配布元:群青三メートル手前さま


手が好き。
声が好き。
仕種が好き。

だけど、考えてみたら…

お前だから好きなんだ。

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