人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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300.いとしいと泣くこころ【戦国BASARA:小政】



本当に痛いのは躰の痛みと心の痛み───はたしてどちらだろう?


(小十郎…?)
伸ばした手がくしゃりと敷布を掴み、その空虚感に政宗は溜息をついた。
温もりが消えて久しい褥は、傍らの存在が床を離れてから時間がだいぶ経過していることを教えてくれる。
儚い夢、と冷たい現実。
片倉小十郎という男は、たとえどんなに政宗がそれを望んでいようと、決して夜が明けるまで共寝をしなかった。
いつもそうだ。
政宗が目覚めるまでに小十郎によって躰は丁寧に拭き清められ、所々に抱かれた痕跡を見つけることができたとしても、名残は一片たりともこの身に残されてはいない。
交わる熱も、吐息もいっそ刹那的で。
求めても、求めても───零れ落ちていくばかりのような気がしてならない。
貴方が大切なのだ、と小十郎は言う。
大切ならば、どうして奪ってくれないのだ。自分だけのものだと言ってくれないのだ。
結局、〈大切〉という大層響きの良い綺麗な言葉で目晦ましして、上手く取り繕うだけじゃないか。
互いの躰の境界を越えるということが、立場を重んじる堅物の小十郎にとって、政宗が考えるほど軽いことでも簡単なことでもないことは察せられる。
主と家臣。
いつだってそんな立場が自分達について回るのだ。
せめて二人で在る時は、そのような煩わしいだけの立場など捨てたいと、そして小十郎にも捨てて欲しいと考えているのに。
そのような枠など壊してしまえと思っているのに。
悔しいのか、それとも悲しいのか。自分でもよく判らない涙が滲んで、政宗は乱暴に左眼を擦った。
(お前は…わからねェだろう?)
くしゃりと掴んだ敷布が皺の波を生む。
余すところなくこの身に想いを注ぎ込まれ、温もりを分け合って満ち足りて眠りに落ちても、目覚めればいつも一人。
思い知らされるその瞬間がどれほど淋しく、どれほど心を軋ませるかなど。
小十郎にはきっとわからない。
「貴方が大切なのだ」と小十郎は言うくせに。
大切に思われている筈の自分が、その小十郎によって日々心を軋ませているという、そんな本末転倒な事実など、きっと気づいてもいないだろう。
どれほど───。
「小十郎…、」

痛イ。
恋シイ。
苦シイ。
愛シイ。
ツライ───助ケテ。

「小十郎………」

両手を伸ばしてみても。
「お前は───」
伸ばした手は力なく空を掴み、そしてパタリと畳の上に落ちた。




───ひどい男だ。








私の中では毛色の違った小政かもしれません。
両想いの筈なんだけど、決定的にすれ違っているふたり…という感じです。
小十郎は「主君に手を出した」後ろめたさが、
政宗は「うまく気持ちを伝えられない」もどかしさが、
それぞれ邪魔をして閉塞的な状況に陥っています。
そんな中での政宗視点。





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