人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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20.つたないことば【戦国BASARA:三政】

ぬしは生まれたての赤子のようだ、と抑揚のない口調で告げたのは───あれは刑部だったろうか。
「アンタはまるで赤子のようだな」
記憶の糸を辿って辿り着いた言葉と同様の言葉を今また別人に吐かれ、三成は軽く目を見開いた。
「…何故そのようなことを言う」
「An?アンタは良くも悪くもなんにも知らねェ」
心の底から可笑しそうにひとつ目の竜が笑った。その射抜くように此方を見つめる瞳には、しかし侮蔑の色はない。嘘偽ることなく、また何の打算もなく、ただ本心を口に乗せている。
竜のひとつ目は力の溢れた魅了眼だった。見つめられれば敵味方に区別なく絡め取られ、抗うことは敵わない。この眼に一体何人の者が魅了されたのだろう。そして、魅入られた末にどんな末路を辿ったのだろう。
胸の裡に湧くのは得体の知れない感情。或いは恐怖、というものか。
これもまた竜の存在を知ったことで植え付けられた感情である。

───オソロシイ…?───

あの欠けた魅了眼が二つとも揃っていたら?
完璧な双眸であったなら?
己もまた、あとは餌食になるのをじっと待つのみなのだろうか。
「………何故貴様は私の前に立つ?」
「アンタを斃したいから」
恍惚と笑う。
「そのために…家康と同盟を結んだんだからな。俺を地に堕としたアンタをこの手で始末するために」
「家康…ッ、奴の名など口にするなッ」
徳川家康───三成からたったひとつの絆を奪った憎き男。三成が向けるべき憎しみの終着点。
憎い。
憎い。
ニクイ。
その男の名を今また対峙する竜の口から───。
あの男はどこまで己から奪い尽くせば気が済むのだろう。
この瞬間すらもあの男は己が手から奪い取ってゆくのだ。

憎い。憎い。ニクイ───。

「Hey,今アンタの前に立つのは家康じゃねェ。俺だせ、石田三成?」
よそ見をするんじゃねェよ、と告げて竜が六本の爪を抜いた。
「アンタのその眼に映ってんのはこの俺、だ。そして、俺の眼が今捉えているのもアンタただひとりだ。You see?」
己を引き裂こうと竜の爪が襲いかかる。
そうだ。竜の魅了眼が捉えているのは、あの男ではない。こうして刀を交え、命の遣り取りをしている己である。
「俺はアンタが憎い」
「…そうか、」
剣戟の隙を縫って繰られる言葉に、三成の心は知らず高揚した。これもまた初めて知る感情である。
「なあ、アンタは俺が憎いか?」
「憎い?」
僅かに目を瞠る。
「俺はアンタを斃すためにアンタが憎む家康の手を取った」
憎い。だが、そんな単純な感情だけではないような気がする。もっと複雑なのかもしれないが、赤子のようだと評された“何も知らない”三成が、抱える自身の感情を的確な言葉で以て表現できよう筈もない。

(私は本当に“何も知らぬ”のか───)

己を魅入る竜はまた、己に様々な感情を植え付けていく。
「…なァ、石田」
知っているか?と竜は言った。


執着もまた愛情、なんだぜ───?


それは。
なんてつたない愛情表現。






三政は相変わらず難しいです。
ゲームver.に拘ると本当に難しい。(甘いところがひとつもない…(苦笑)。)
難しいんだけど、なんか書いてみたいんだよなあ…というこの心境。

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