人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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seven【戦国BASARA:小政】

毎度思い出したように書き出す【鎮魂と再生】。3本めは「seven」になります。
REBORNではなくRebirthに収録されている曲です。この曲、大好き。

どれだけ書いてないんだろう…と思って前回のJESUS 02を見てみたら、わあ。ちょうど1年ぶり(苦笑)。
それはいろいろ忘れそうにもなります。


そんな訳で、以下本編です。



──マサムネサマ……──


ゆるりと左眼の瞼を引き上げる。右眼は元々機能していないらしい。或いは『そのように』創られたのだろうか。
どうでもいいことだ…と彼は束の間の覚醒の中、温かな羊水に抱かれて彼はぼんやりと考える。
この世に生を受ける前の胎児に等しい彼の躰には数多のプラグとコードが巡らされ、それによって与えられた生命の維持が為されていた。
(誰かが…呼んでいる?)
羊水の温もりに抱かれた永い眠りの時間は彼にとって心地好かったが、最近は短いながらもこのような覚醒の時間があった。
覚醒の鍵は〈声〉だ。
誰かの、〈声〉。
繰り返し───繰り返しひとつの言葉を音に乗せている。まるで寄せては返す波のように。
唯一機能する左眼を凝らしてみても、羊水に満たされた此処からはその〈声〉の姿を捉えることはできない。
(誰、だ)
彼には全く憶えのない〈声〉だった。なのに、その〈声〉はどこか懐かしささえ感じるのだ。
切なく、何もない空っぽのこの胸を締めつけるのだ。
「誰、だ…?」
唇が動く。その動きとともにこぽり、と空気の泡が零れた。

──マサムネサマ……──

脳裏に響く唯一の声、声、声。
誰なのだ。己という空っぽの器にそんな強い想いが満ちてゆく。
羊水の温もりに抱かれ揺蕩う永い眠りの時間を打ち破り、躰に巡らされた此処へと己を繋ぐコードを今すぐにでも引き千切って、その声を確かめたい。
動きの鈍い手を伸ばして。
(誰、だ………呼ぶのは)
己を狂わせる、その声は。


「〈独眼竜〉が目覚めの瞬間を迎えるぞ、片倉」
「政宗様…」
硝子の向こうに在る、待ち望んだ彼の完全なる覚醒の瞬間に元就とともに立ち会った小十郎は瞬きもせず両の眼を見開いてその様を凝視し続け、そしてごくりと喉を鳴らした。
閉ざされた左眼の瞼がゆっくりと引き上がり、誰をも魅了する強き光が再び現れる。その瞬間、感極まった小十郎は緊張の糸が切れたのか。長い長い溜息を吐きだした。
「勘違いするでないぞ、片倉。『あれ』は連合国軍の〈独眼竜〉だ。もはやそなたの知る〈独眼竜〉ではない」
無敗を誇る第四独立遊撃部隊という旗頭を最大限に活かすために連合国軍側の一方的なエゴによってこの世に無情にも繋ぎ留められた、〈独眼竜〉という名の軍の飼い犬。
「現在の『あれ』に〈個〉はない」
「………わかっている」
それでも、小十郎は覚醒の時を迎えたそのひとを想って心が震えた。
連合国軍のエゴで彼を繋ぎ留めたというのならば、己もまた途方もないエゴで以て彼を繋ぎ留めたことになるだろう。
倫理も道徳すらも超越し、ただそのひとを喪いたくないがために罪を犯した。それは神をも冒涜する罪だ。
だが、再びその傍に在ることが赦されるというのならば、たとえそのためにどんな代償を支払うことになろうとも、この身を業火に焼かれようとも構わない。
それだけの覚悟はある。

「ふ。双竜の絆とは………業深きものよ」

それぞれがそれぞれの立場で犯した罪の〈具現〉の覚醒を見届けてそう呟いた元就は、もう興味は失ったとばかりに踵を返し、二人を残してその場から立ち去った。

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