人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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118.ごめんねの甘い声【戦国BASARA:家政】

ダンッともの凄い音とともに文机の上に片脚が乗った。その勢いたるや文机を壊しそうなほどで、さしもの家康も気圧されて、尻でじりじりと後退りしてしまう。
にこりと笑う華の顔は惚れ惚れするほど美しく家康の気に入りなのだが、なまじ貌の造作が整っている分だけこういう時は迫力があるのだ。美人は怒ると夜叉になる、というがまさにそのとおり。
そして今、家康の眼前にその〈夜叉〉がいた。
「もしかして怒っているの、か?独眼竜」
「そう見えてンならそうだろうよ」
文机の上にどんと片脚を乗せ、凄味のある笑みを浮かべている。
当人は全く頓着していないが、文机に脚を乗せている所為で着物の裾を割ってすらりと伸びた生脚がチラチラと垣間見える。まるで誘っているかのような肌の白さを前に目線がそちらにばかり吸い寄せられるが、生唾を呑むだけで家康は必死に耐えた。
下手に手を伸ばそうものなら、竜の怒りを買うことは間違いない。生殺しだろうが目の毒だろうが、必死に耐える。
「テメエは俺のモンだって…確か言ったよなァ、家康?」
「あ、ああ…」
眼前の迫力に気圧されたまま、家康はこくこくと肯いた。
お前は俺のものだ。それは嘗て眼前で凄味を見せている家康の竜───伊達政宗が家康に向かって言い放った言葉だ。
尤も、政宗が家康を欲する前に家康の方から「お前の総てが欲しいんだ」と政宗に懇願していて、政宗のこの言葉はそれを受けてのものだ。
望みどおりお前のモノになってやる。だからお前も俺のモノになれ───互いの想いに繋がれるという意味で交わされた言葉だった。
それゆえ政宗は家康のものであるし、家康は政宗のものなのだ。
確かに間違いではない。
「Ok,わかってんなら………その包帯は何だ?」
激情が一転、六爪を自在に操る手で家康の頤を容赦なく掴んで上向かせた政宗が、眦を吊り上げて低く問うた。
政宗の不機嫌の原因は家康の左眼を覆う包帯らしい。「あー…」と生返事をして右眼を泳がせた家康は、苦笑を浮かべつつ「ちょっとな…しくじった」と答えた。
「爆弾兵を躱し損ねて、な」
「躱し損ねた、だァ?」
鈍い真似してんじゃねェよと睨まれる。全くそのとおりなので反論の余地もない。はは、と苦笑するしか術のない家康だ。
正確にいえば、爆弾兵が放った爆弾を躱し損ねた、である。その爆発で何らかの破片が左眼に当たったのだ。大袈裟に包帯をぐるぐる巻いてはいるが、怪我自体はたいしたものではない。
「なに、爆発の際に何らかの破片が当たっただけだ。医師も大事ないと言っている。まあ……もう少し位置がずれていたら大変だったらしいけどな」
怪我の程度を看立てた医師がそう言っていたのを軽い口調で付け足す。
それもまた運の強さなのでしょうと手当されながら医師に告げられたのだが、いやいやワシには竜の加護があるからなあと臆面もなく家康が答えると半ば惚気られた恰好の医師は目を丸くしていた。
結果論である。確かに医師の言ったように運の強さがあったのかもしれない。だが、なににせよ深刻になるつもりはなかった。
だが、政宗は違ったらしい。その話を聞くや、今までの凄味はどうしたのか俄かに整った顔を蒼褪めさせた。
きゅっと唇が引き結ばれる。
「…独眼竜?」
「俺のモンなのに、俺の与り知らねェところで勝手にテメエの躰に傷作ってンじゃねェよっ」
「心配…してくれたのか?」
「───ッッ、」
竜の隻眼にサッと朱が走る。心配なんか誰がするかっと散々口では喚くが、態度の方は本当に素直なものだ。
それがまた竜の可愛いところなんだが…とばかりに相好を崩せば、言葉にせずとも伝わったのか、ますます吼えたてられる。
「すまなかった、独眼竜」
宥めるように慎ましく笑った家康は、政宗に向かって両手を伸ばした。それは“此方においで”の合図だ。
“抱きしめさせて”の合図。
意図がわかっているから、殊更政宗も顰めてみせた。
「Shit!抱きしめられりゃあ機嫌を直すとでも思ってんのかよ」
まさか、と首を横に振った。竜がそんな殊勝な性格でないことは、家康がよく知っている。
「俺は…怒ってんだぞ」
「わかっている。ワシのことを心配して…怒ってくれているんだろう?」
「絆されると思ったら大間違いだからな」
「わかっている。だからその…心配させてすまん」
むう、と唸った政宗は渋々といった具合で家康の両手に応えてくれた。だが、強情な竜の心根は硬く、腕の中に落ちてもなかなか機嫌を直してはくれない。
戦において城攻めを何度も経験している家康である。
しかし、一番難しいのが愛しい竜の攻略だ。
「…独眼竜、」


さて、何度ごめんと謝ったら機嫌を直してくれるだろう───?



疲れた時は甘いものが無性に欲しくなります。
今日は朝から仕事でエラク疲れたので、甘い話を書きたくなったのです…(苦笑)。

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