人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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210.優しくさせて【戦国BASARA:小政】

背後からどんっと勢い良く抱きつかれた小十郎は、抱きつかれたその勢いで手にしていた盆を落としそうになった。
「ま、政宗さまっ?!」
首を捻ると眼下に政宗の旋毛が見える。
政宗の行動はいつもいきなりで、そのたびに小十郎は驚かされるが―――驚きが過ぎ去ると次に小十郎を支配するのは“呆れ”で。
「小十郎っ」
「小十郎、ではありませぬ」
戦が落ち着いている今、腰を据えて内政に目を向けている政宗は書院に籠って周辺の領地から届く書状に目を通している筈だった。小十郎が持つ盆の上にも各領地に散らばる伊達の諸将からの書状が積まれていて、政宗に目を通してもらうために書院へ向かっている途上だったのだ。
断じて此処は書院ではない。書院へと続く廊下、である。
その廊下で政宗の急襲に遭ったということは、書院から抜け出していたということに他ならないだろう。存外飽きっぽい性質の主であるので、またぞろ退屈の虫が騒ぎ始めたのかもしれない。
ともすれば口から吐き出そうになる嘆息を呑み込み、「斯様な場所で何をしているのです?」と窘める口調で背後の政宗に向かって言った。返答次第ではこのまま小言モードに突入である。
「書院においでではなかったのですか?」
「おいでだったさ。たまたま厠に行っていただけだ。戻ってくる途中でお前の背中が見えたから抱きついてみただけだろう?」
文句あるか、と口を尖らせて此方を見上げてくる。
常は施政者として凛とした硬質の気を漂わせる政宗だが、こういう仕種をすると途端に幼さが表に滲み出てくる。どちらも小十郎には愛おしいものだ。
小十郎、と政宗は安心したように己の背に頬をすり寄せている。彼が幼い時分、よくこんな風にして抱きつかれたことを思い出した。
「政宗様、どうなさったのです?」
「An?別にどうもしねェよ。お前の背中があったから、抱きついてみたくなっただけだ」
「…はあ、」
飄々とした答え。
「ですが………幼きお子でもあるまいし」
「ガキじゃなくても甘えたいんだよ。―――少しは察しろっ!この阿呆!!!」
背後から腰に回された政宗の両腕に力任せにぎゅうっと締め上げられた。これにはさしもの小十郎も顔を歪ませる。痩身の見かけに騙されそうになるが、なにしろ六爪と呼ばれる六振りの刀を自在に操る政宗である。その腕力は強い。その腕力で容赦なくぎゅうぎゅう締められるのだから敵わない。
今度こそ小十郎の口から呆れたような溜息が転がり落ちた。
呆れたのは政宗の振舞いか、それとも最後まで厳しく接しきれない己の甘さか。おそらく後者の方だろう。大概政宗に甘いという自覚はあるのだから。
「政宗様、」
盆を右手で支え直し、前で組まれた政宗の手を左手で撫でてやる。
「甘えるにしても斯様な場では些か具合が悪いでしょう?少し我慢なさい」
甘さを滲ませた声音で小十郎が優しく諭せば、見上げていた政宗の左眼が期待に満ちて嬉しそうに細められた。



今日は5月16日。小十郎の日です。
昨年は翌日に気が付いてすごく悔しい思いをしたので、「今年こそはっ!」と思っていました(苦笑)。←ヘンな意気込み。
小十郎の日なので、本当は政宗が小十郎を甘やかす話にするつもりだったんですけど…蓋を開けてみたら、フツーに小十郎が政宗を甘やかす話になっていました(苦笑)。
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