人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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記憶と空15【ぷれ】

毎度毎度の姑息な手段で申し訳ない、の【ぷれ】でゴザイマス。
比較的長めのぷれとなりました。本編はもう少し書き進んでいますが、例によって書き終わらないので、とりあえず。
今回はマイク中心で。
…同時並行で書いているヒュロイも先が見えずにアップできなかったりする、本日の安曇さんでした(苦笑)。


城内が慌ただしかった。絶えず、伝令と思しき兵が大広間へ出入りしている。彼等から齎される戦況は、自軍の有利かはたまた苦境に立たされているのか。知りたいと思っても、マイクロトフに知る術はない。
マイクロトフは回廊の壁に身を凭せ、深く息を吐いた。
突然全身に刻まれた無数の傷は治癒系の札を幾枚も使って漸く塞がれたのだが、時々気紛れにパックリと傷口を開くことがあった。ゆっくりと瞳を巡らせて見れば、腹部にきつく巻かれた包帯に紅い染みが浮かんでいる。先程から間断なく続いている疼くような痛みがマイクロトフに傷口が開いたことを知らせていた。
疼痛に強張った顔を顰めたマイクロトフは小さな呻き声を発し、凭れていた壁から身を離すと再び心許ない足取りで歩き始めた。
この慌しさは、自軍が大規模な戦闘に入った所為だろう。皆、一様に戦況に気を取られ、誰一人マイクロトフに気づく者はいなかった。おそらく、医務室を抜け出たことも気づかれてはいない筈だ。
あの戦場にはカミューがいる。
それだけで不安が不安を呼び────堪らなくなる。
何故こんな気持ちになるのか判らない。また、傷だらけの身をおしてまで自分は一体どうしたいのかも判らなかった。
記憶を蓄積できない今のマイクロトフにとって、 カミューという人物など知らない。マイクロトフが目覚めた時には彼は既に戦地に赴き、彼を知る唯一の手立ては手許に残されたノートだけだったのだ。ノートに几帳面に書きつけられた彼の蹟と自分に対する優しさ溢れた文面だけが、記憶にない『彼』を知る欠片だった。
「カミュー…」
その欠片を一つ一つ集めたとしてもマイクロトフの中の<記憶>というパズルが完成する訳ではない。それでも、面影すら残っていないカミューに想いを馳せるだけで、マイクロトフは医務室でじっとしていることができなかった。
自分を掻き立てるこの不安が何に起因するものなのか。
「カミュー…」
城内のざわめきはめまぐるしい。浮き足立ったように活気を呈しているのは、今しがた齎された知らせが自軍優位、というものだったかららしい。遠くで叫びながら男が触れ回っている。
その知らせに、マイクロトフは少しだけホッとした。
きっと、大丈夫。
押し寄せる不安をマイクロトフは、そんな言葉で塗り潰した。そして、開いた傷口を庇いながら覚束ない足取りで大広間に向かう。総ての情報が集まるそこに行けば、カミューのことも判る。これ以上謂われない不安感を募らせることも焦燥感に苛まれることもなくて済む。
だが、あと少しで大広間に至るというところで活気溢れた空気は俄かに一変した。壁に寄り掛かるようにして歩むマイクロトフの姿など目にも留めず、必死な形相で伝令が大広間へと駆け込んでいった。
無造作に開け放たれた扉の向こうから「何だと?!」という驚愕に満ちた声が上がり、後を追うようにしてどよめきが発せられる。
何事があったのだ、とマイクロトフにさえ充分に察せられることだった。
「何…だ。何があったというのだ…?」
壁伝いの心許ない歩み。何があったのだと気は急くのに、痛みが邪魔をする。マイクロトフは痛みに萎えそうな己の気力を叱咤した。
時折怒号すら聞こえてくる大広間の扉にやっと左手を伸ばし、寄り掛かって呼吸を整えていると。
「なんてことだ、ロックアックスが?!」
ロックアックス、という名称に扉越しに耳を傍立てていたマイクロトフの躰が戦慄いた。
ロックアックス。カミューが自分と出逢ったという街だ。その街を守るために、カミューは戦場に赴いたのだ。
「王国軍はグリンヒルを見切るつもりだった。初めからロックアックス狙いだったと…そういうことか」
既にロックアックスは陥落。ゴルドー率いるマチルダ騎士団はハイランド王国軍に恭順の意を示し、軍門を下ったと苦渋に満ちた声で伝令の口から告げられている。
マイクロトフは息を呑んだ。
ハイランド王国軍がどの程度の規模なのか想像もつかないが、おそらく大国の軍隊なのだろう。その軍が大挙してロックアックスに攻め入った。その結果、ロックアックスは降伏。
「ならば…」
ロックアックスが陥落した、という。
ならば。

────カミューの部隊はどうなったのだ?
Comment
2006.02.11 Sat 17:16  |  ふうすけ #-
コメントお待ちしています。こんにちは、http://jump.sagasu.in/goto/bloog-ranking/に記事が取り上げられていたので、見にきました。オイラもブログに挑戦したいんだけど、ムズカシそうで、いろんなブログを見て研究中です!
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