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人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

69.美貌と言うに相応しい貌【戦国BASARA:家政】

久しぶりに顔を合わせたと思うや、大層締まりのない――だらしなく頬を緩ませ、ひどく脂下がった――ツラに遭遇した。
(最近は…まあ、いつもこんなツラばっかだよな)
無論、常時こんな面構えをしている訳ではないのだが――常時コレだったら上に立つ者の質を疑う――、如何せん政宗がそうした面構えに遭遇する確率が高すぎるのだ。
初めて出逢った時は背も低く、いちいち会話するにも政宗を見上げるような子供だったのだが、それが見ないうちに――成長期だったということを十二分に差し引いても、だ――無駄にすくすくと成長して、これが同一人物かと己の眼をつい疑いたくなるほどそれはそれは見事に化けてしまった。当時の面影など微塵もないと言えば嘘になるが、少なくともこの姿から当時の姿を思い起こすのは難しいだろう。
「…Hey,家康」
「うん?」
家康はにこにこと笑いながら、腕の中に囲った政宗を見下ろした。今では政宗の方が家康を見上げる始末だ。
「お前、そのツラどうにかなんねェのかよ」
相変わらずにこにこ笑いながら「どのツラだ?」と言うので、少しばかり腹が立って「このツラだっ!」と家康の緩んだ頬を思い切り抓りあげた。
「いひゃいっ!いひゃいぞっっ」
政宗は六本の刀を片手に三本ずつ持って振り回す握力の持ち主だ。その握力で以て抓られるのだから、それは痛いだろう。懇願されて漸く放してやれば、家康は涙目で赤くなった頬をさすっている。
「うーっ、独眼竜は容赦ないなあ」
「テメエが終始そんな緩んだツラを晒してるからだ」
「仕方ないだろう?独眼竜を目の前にしていれば自然とこうなるんだ。いわば不可抗力だな」
「何が不可抗力だ。抗おうともしてねェくせに」
普通にしていれば、男ぶりを増した精悍な貌なのである。その貌は実に政宗の好みなのだが、哀しいかなどうしてか近頃は滅多にお目にかかれないのだ。
家康の眼前で政宗は呆れ返ったように溜息をついてみせた。
「なあ、独眼竜。美人はな、三日もすれば厭きるそうなんだ」
「What?」
急に話題が変わった所為か、一瞬ついていけなくて、政宗は左眼を緩く瞬かせた。頭の回転は速いし、柔軟性も備えているつもりだが、時々政宗は家康についていけない時がある。
「確かに美味いものだって三日も食べ続ければ些か食傷気味になって厭きるものだしなあ。それと同じかと思って…」
「Wait,家康。…テメエ、試したっていうんじゃねェだろうなァ?本当に“三日で美人に厭きるかどうか”」
政宗の眦が吊り上った。と同時に剣呑な顔つきになる。
家康の立場であれば美女を侍らせるなど容易いことだ。望めばどんな美女でも手に入れられるだろうし、事実、徳川と縁戚関係を結びたくて年頃の姫を持つ将から婚姻の話がひっきりなしに舞い込んでいるのも知っている。
だから、本当にそうなのか検証するためにそのうちの一人を三日間傍に置いてみた、とそう報告しているのか。
(で、厭きなけりゃそのまま傍に置くつもりとでも言う気か?)
考えた政宗は、ますます剣呑な顔つきとなっていく。
そうか。そういうつもりか。
「どうしたんだ、独眼竜?」
「………」
不穏な想像に占められていく政宗のことなどお構いなしに、家康は至ってマイペースだ。相変わらずのにこにこ顔で「どうしたのだ?」などと訊いてくる。今はそれすらも腹立たしい政宗だ。
「ああ、試したかって?試した、試した」
「アアン?試した、だと?」
途端、バチバチと政宗の躰が帯電した。事と次第によっては、この場でHell Dragonを喰らわせる気になっている。
「だが、あれは嘘だな。三日経とうがちっとも厭きん」
「へ、え?」
「ワシが独眼竜に厭きるなど…天と地がひっくり返ってもあり得んことだ」
「……………What?」
ぽかんとしてしまった。
「三日経とうが一年経とうが十年経とうが…お前の貌ならずっと厭きないとワシは誓えるぞ。叶うことなら、おはようからおやすみまでずっと独眼竜のことだけを見ていたいくらいだ。いっそそのためにワシは天下を目指そう」
「Ah~………」
自信満々に――気持ちいいくらい眩しい笑顔で――言い切った家康を前に、完全に毒気が殺がれた。
悋気の所為ですっかり忘れていたが、そもそも家康はそういう男だったのだ。
(Shit!みんな俺の早合点かよっ)
一体どんな表情で家康を見ればいいのかわからず、更に働かせ過ぎた想像力にすっかり疲れてしまった政宗は、家康の腕の中でがっくりと項垂れた。



最近は小政と家政を並行して書くことが多いんですが、この話もシリアス小政を書いている時に、ちょっと箸休めのつもりで書き出したものでした。
美人(政宗に限る)は3日経っても厭きない、という家康のお話。

にしても、365題で家政書いたのって4月以来みたいです(苦笑)。
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