人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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307.鍋と釜【戦国BASARA:小政】

城内に小十郎の姿が見えない時。まず手始めにどこから探せばいいかといえば、それは畑だ。大概の場合、小十郎は畑にいる。
彼は政宗が何処にいても容易く見つけ出してしまって毎回悔しい思いをするのだが、自分だって小十郎を見つけ出せるのだと思うと「どうだ」と胸を張りたくなる。
「本当に…お前は畑が好きだよなア」
時々主君の存在を忘れてるんじゃないかと疑いたくなるほど、小十郎は農作業に没頭することがある。例えば、一心不乱に鍬を揮って土を耕している時がそうだし、丹精込めて育て上げた野菜を収穫する時の、あの恋人を見つめるような優しげな眼差しにしたってそうだ。
あれは絶対に俺のことを忘れている!と政宗は強く思う。
「この畑で育てる作物すべてが政宗様のお口に入るものだと思えばこそ…この小十郎、一層愛情込めて育てておりまする。実りの季節を迎える頃には、きっとこれらも美味しく育ちましょう」
「Ah~,そうだな」
幼少時の政宗は偏食傾向が強く、小十郎が畑で作物を作り始めたのも元々はそんな政宗の偏食を正すためだった。お蔭で偏食はなくなったが、なくなった後も〈竜の右目〉の傍ら、畑仕事は続けられている。
それこそ政宗がまだ幼名で呼ばれていた当時は小さな畑だったが、趣味に実益が伴い出して今ではだいぶ広くなった。さすがに常時面倒をみていられるような身分ではないので、村の者達に管理を任せているというが、手の空いた時などはこうして畑に出ていた。
なににせよ、小十郎の畑の原点は政宗である。小十郎の行動はすべてその先政宗へと繋がっていて、だからこそあまり強くは言えないのだ。
「なあ、小十郎」
声をかけると「はい?」と言って、鍬を揮う手を止めて小十郎が政宗の方へふり返った。
額には大粒の汗がいくつも浮かんでいる。今すぐ走り寄って手拭いで拭いてあげたい―――そんな衝動に駆られる。きっと驚いて、次に慌てて、それから恐縮するだろう。
小十郎の変化を容易に想像できて、政宗は小さく笑った。
「どうかしましたか、政宗様?」
「いや…。なあ、小十郎は本当のところ俺と畑とどっちが好きなんだ?」
「――――――っ?!」
何気なく発した問いに、小十郎が息を飲んだ。正直なところ政宗は彼がそんなに驚くとは思わなかった。そもそも比べる次元が違うだろうと思うが―――いや、小十郎の中では一緒なのだろうか。
「そこで万が一畑と言われると…俺としては立つ瀬がねェんだがなァ」
少しばかり困ったように続けると、小十郎は慌てたように「そのようなことは…っ」と言って否定してきた。その慌てぶりが可笑しい。
「Ha!Jokeだ。お前が“誰を”好きか、なんて俺が一番良く知っているからなァ」
「政宗様…なんとお人の悪い」
決まり悪げな表情を浮かべる小十郎を見つめ、政宗は少しばかり意地悪く笑ってみせた。滅多に彼から一本を取ることは敵わないから、これは貴重だ。
「お前の眼が畑ばかりに向いてるから、軽く拗ねてみただけだ。それに―――」

――――――そんな畑バカのお前も俺は好きだからな。

「ま、政宗さまっ!?」

はっきりと目許に朱が散った小十郎の顔。
そんな自分も大概〈小十郎バカ〉の自覚があるから、ちょうどいいのかもしれなかった。


漸く涼しくなったので再開した昼休みの日課のウォーキングの最中に浮かんだネタ。
実はお互いにお互いしか見ていない、似たもの同士ということを書きたかったのでした(苦笑)。
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