人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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347.無邪気と言う罪があるなら【戦国BASARA:家政+小十郎】

お誕生日月間企画で書かせていただいた「何度でも、恋をしよう」の後日談です。
家康が政宗の家族(=主に小十郎)の許へ挨拶に行きますが、見事返り討ちに遭ってしまいます(苦笑)。
未来の小舅殿は…やはり此処でも睨みを利かせるのでした、というお話。
にょた仕様なので、一応折り畳んでいます。
OKな方のみどうぞ。


ずっと探していた相手だった。
そのひとがたとえ何に生まれ変わっていようと――それこそ犬猫や道端の石ころだろうと――見つける自信はあると見栄を切ったけれど、現実はなかなかうまくいかないものだ。
もちろん、絶対見つけてやるという心意気と絶対見つけられるという自信―――というより確信はいつでも己の中にあった。
だから。
将来己の伴侶となる女性が既に定められていて、その女性の名がずっと探していた相手だと知った時―――まだ年端もいかぬ、それこそ恋だとか愛だとか結婚だとか次元の違う話で、ママゴト遊びの方がよほど似合うのではないかというくらい子供だったのにもかかわらず、家康は手放しに喜んだことを今でも鮮明に憶えている。
運命の歯車とやらが一遍に噛みあったにも等しいあの時の感激を思い起こせば、今も胸が震えるのだ。
いずれ時が満ちれば必然的に逢える定めだったが、その時まで我慢できずに己の方から行動を起こした。
家が持つ情報網を駆使して彼の人の居場所を知り、彼の人が通う高校へ転校までしてしまった。それくらい恋焦がれていたのだ。なにしろ恋焦がれていた年季が違う。
(嘗てのワシはもう少し我慢強かったんだがなあ…、)
なにせ“啼くまで待とうホトトギス”だったし?
思わず苦笑する。
来世があるなら…と過去の己が口にした願い。それは今生で悉く叶った。
ともに在りたいという願いも、男と女であればいいという願いも、同い年がいいという願いも。神仏は気前よく叶えてくれた。これ以上望もうとすれば、逆に罰が当たりそうな気さえするのだ。
「家康?」
何を考えているんだ?と訝しげに竜の左眼が問う。
「うん?いやあ、ワシらが夫婦になったら………絶対に近江の浅井や加賀の前田も真っ青なオシドリ夫婦になろう、と心に誓っていた」
「Ha-ha!アンタ、気が早すぎだ。許婚って言ったって家同士の、しかも何代も前に交わした口約束で正式に婚約だってまだなんだぜ?」
「ワシもお前もその気なんだ。今更形式ばってどうこうする必要はなかろう?徳川も伊達もワシらの代で約定が果たせて万々歳なんだし」
「テメエのオツムほど世の中単純じゃねェんだよ!晴れて家同士の約定果たして、夫婦になってめでたしめでたしじゃねェんだ、この阿呆。オレもアンタも学生の身で全然稼ぎもねェのに、このまま結婚したとしてこの先どう生活していくつもりだ?あア?霞喰って生きていけねェんだぞ?ついでに言やあ、オレひとりも幸せにできねェような甲斐性なしのヤローの許へ嫁ぐなんざァごめんだね」
「う…っ、見ないうちにお前は随分シビアになったなあ、独眼竜」
「夢見がちな男とは違って、現実を直視しているだけだ」
「ははは、手厳しいのは相変わらずだな」
子供の頃に将来の伴侶の名を教えられた家康と違い、彼女―――伊達政宗が己が許婚の存在を知ったのは今年の誕生日だったそうだ。花嫁として送り出さねばならない彼女の父にしてみればこういう話は少しでも遅く…という思いが働いたのかもしれないが、何の心の準備もなく聞かされた政宗にしてみればそれはまさに青天の霹靂で、更に彼女の気性を鑑みれば“家同士の約定”などという曖昧で無責任なものを一方的に押し付けられるのを潔しとせず、相手の名――つまるところ己なのだが――を教えられる前に家を飛び出してしまったのだという。
だから、己の許婚が政宗であると――逆を言えば彼女の許婚が己であると――家康の口から聞かされた政宗は顔を真っ赤にし、それから忌々しげに舌打ちしたのだった。
それがなんだかとても可愛かったのだが、口にすれば雷撃が下されそうなので、ずっと黙っている家康である。
政宗の気性を考えると、下手をすれば破談になっていたかもしれない。悠長に待ってなどいられなくて此方から行動を起こした家康だったが、結果的にそれが良かった。
そういう訳で。
家同士の都合でなんざ冗談じゃねェ!と反抗していた政宗が矛を収めて約定に従うと突然言い出し、万事丸く収まった―――かのように思えたのだが。



「誰だ、テメエはっ」
「…………っ」
顔を引き攣らせ、家康は反射的に息を呑んだ。目の前に鬼のような形相をした男がいる。
軽い既視感に襲われた。
(み、みみみ右目ーっっ?!)
小十郎、とにこりと笑って抱きついた政宗をしっかりと腕の中に収め、男は―――小十郎は家康を威嚇するようにギロリと睨みつけた。〈竜の右目〉の二つ名を持ち、様々な意味で政宗を護った男は、過去において家康が最も怖れ、かつ最も苦手とした相手だったが、今生においてもそれは払拭できないらしい。むしろ今生の方が凄みを増しているではないか。
強面は言うに及ばず、黒基調のスーツを身に着けると、とても堅気の人間に見えない。
「小十郎、あれがオレの許婚。未来のdarlingだ」
あア?と――明らかに機嫌を損ねた――低い声で凄まれた小十郎に、射殺されんばかりの勢いで睨まれる。
「テメエが政宗の………だと?」
「Calm down,小十郎。そう凄んでくれるな。家康、オレの兄貴の小十郎だ」
「ふうん、今生の右目はお前の兄なのか…って、ちょっ、ちょっと待ってくれ。あ、兄!?兄だとっっっ」
「Yes,my brother」
紹介された小十郎とは対照的に、小十郎の腕の中で政宗がにこりと―――大層無邪気に笑う。
嘗ては竜の右目。
そして、今は政宗の兄。
「あ、その…どうもはじめまして。お義兄さ、ん」
一応挨拶せねばなるまい。何事も第一印象が肝心だ。家族に前世の記憶を持った者はいないと政宗は言っていたから、今生の己と小十郎の関係は全く白紙から始まるのである。ならば、少しでも己の印象を良くしていた方がいいだろう。
そう思った家康は萎縮しつつも言葉を選び選び挨拶をしたのだが、お義兄さんのくだりで「誰がテメエの義兄だ」と凄まれてしまった。
ああ、いつの世も〈右目〉は〈右目〉だ。
「俺はまだテメエのことを認めちゃいねえ。大切な政宗を嫁にくれてやるなんざできねえな」
「ど、独眼竜…ちょっとこの展開はワシ、想定外なんだが…」
「Ha!アンタにとっちゃあ、小十郎は未来の小舅だ。仲良くしてくれねェと困るぜ?っていうか、なにナチュラルに独眼竜って呼んでいやがる。政宗って呼んでいいって言っているだろうが」
「ああ、うんそう…だが。さすがにこのタイミングでそれはどうかな、と思うんだワシは」
「…テメエの薄汚ねえ口で政宗の名を呼ばせるつもりはねえぞ。一度でもその名を呼んでみろ。テメエの息の根を止めてやるぜ」
「No,小十郎!家康はいずれお前の義弟となる男だぞ?仲良くしてやってくれ」
義兄になるつもりはねえと眦を吊り上げて腕の中の政宗に訴える小十郎だったが、逆に「お前は妹の幸せを喜んじゃくれねェのか?」と萎んだ声で上目遣いに返されて言葉を失っていた。
「………し、仕方ねえ」
「Wow,小十郎!大好きだぜ」
ぎゅう、と抱きつく政宗は知らないだろうが―――


(ワシ、いつか右目に殺されるかもしれん………)


昔も今も立ちはだかる大きな障壁。
―――若き家康の前途は多難である。


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