人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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冬の匂いがする【戦国BASARA:小政】

政宗様、と障子戸で隔てた向こう側から控えめな声で呼ばれる。
控えめとはいえ、心を捕らえて放さない低い美声で己が名を呼ばれる―――政宗はこの瞬間がとても好きだった。
「政宗様、小十郎にございます。お目覚めですか?」
「Mornin’小十郎。起きてるぜ。構わないから入れ」
入室を許すと、失礼しますという短い断りを入れた後に、スッと滑るような動作で静かに戸が引かれた。
小十郎とともに、刺すような冬の早朝の冷気が引いた戸の僅かな隙間から忍び込んでくる。
「………政宗さま、」
呆れたような声がしたかと思えば、次にはやれやれといった溜息。
「起きている、と今しがた小十郎の耳には聞こえたような気がしますが?」
「Sure,起きているぜ」
「斯様なお言葉を寝床に潜り込んだまま申されても何ら説得力がございませぬな」
起き上がるどころか、寝床に潜り込んだままという政宗に向かって、小十郎はこの日最初の小言を零した。
目覚め一番の小言は耳に痛いが、実のところ政宗は意図的にしていることなので、これくらいのことは覚悟しなければならない。
「政宗様、」
枕許まで膝行してくる。
大きく武骨な手が布団を掴んだ。
「奥州筆頭ともあろうお方が寝穢い。起きなされ」
容赦なく布団を引き剥がされる、そのタイミングと同時に政宗は小十郎に向かって両腕を伸ばした。伸ばした腕を武人らしくがっしりした太い首に絡ませると、力ずくで引き寄せる。
「――――――っ?!」
咄嗟のことにも機転を利かせてなんとか姿勢を保とうと踏ん張った小十郎だったが、政宗の力の方がやや上回ったらしい。結局支えきれずに覆い被さる恰好となった。
それでも、下に敷くことになる政宗を押し潰さないようにと肘を付いて自身を支えたあたり、やはり小十郎である。
「ま、政宗さまっっっ」
「まだ朝も早い。少しぐらい暖を取ったっていいだろう?」
含み笑いをしながら甘えるように鼻先をすり寄せると、小十郎の躰から力が抜けるのがわかった。
小十郎は政宗に厳しいが、それと同じくらい甘い男なのである。
「どちらかといえば…こうして暖を取るのは小十郎のような気がしますがね」
苦笑交じりに小十郎が答える。確かに表の冷気を纏わせた小十郎は冷たく、帷子を通して肌にひやりとした冷たさが沁み込んでいくようだ。
「Ha!布団を引き剥がされたままに比べりゃア、ずっといい」
ついでに足を絡めて、ぐっと引き寄せる。小十郎は逆らわず、むしろ温もりを求めて積極的に絡ませてきた。
さっきよりも間近に見る―――精悍な貌。
「お前…冬の匂いがするな」
「然様にございますか?」
「ああ。お前の匂い、好きだぜ?」
「これは…………嬉しいことを仰る」
目許を甘く和ませた小十郎は、先ほど容赦なく己が引き剥がした布団に再び潜るようにして掛け直したのだった。

そんな―――ある寒い朝のお話。





お題配布元:love is a momentさま



ミイラ盗りがミイラになるお話(苦笑)。
寒い朝ですからね、ひと肌が恋しいというか…。
…むしろこのひとたちはいつも互いが恋しいのか(苦笑)。←寒さ、あんまり関係ない(笑)。
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