人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --:-- | Top

あの子が一番欲しい物【戦国BASARA:小政+元親】

休みの日の本屋巡りは政宗の楽しみのひとつだった。
書店員ではないが、同じ本を扱う者としてアンテナを常に高く張り巡らせている。流行にも感覚を鋭くさせておかないと、魅力的な本を揃えることなどできない。図書館に通い詰めたくなるような魅力的な蔵書を揃える―――それが司書の使命のひとつだと政宗は思っている。
ひとりで本屋巡りというのは久しぶりのことだ。
大抵は恋人である小十郎と一緒だし、小十郎が一緒のときは本屋に立ち寄ることはあっても、基本的に巡ることはしない。大学教員である小十郎も本好きで、家で図書館を開けるのではないかと思うほど多くの本があるから本屋巡りにはきっと好意的だろうと思うが、本好きということが災いし、お互い時間を忘れて没頭しかねない。そこまでしてふたりの休みの日を潰したくはなかった。
つまりは、お互い恋人の方が優先順位は上―――ということである。
ところが今日は前日から小十郎が学会で出張のため、ひとりで休みの日を過ごすことになり、ならばということで本屋巡りを思い立ったのだった。
ぶらりと入った本屋で、予め書評に目を通したもののうち気になった本を手に取ってぱらぱらと流し読みをしてみる。更に気になればタイトルと著者、出版社をメモするようにしていた。選書の際に役立つだろうと思ってのことだ。
仕事半分、あとの半分は自分のために店内をぐるりと回った政宗は、個人的に興味を惹かれた本を数冊持って会計を済ませるべく正面レジのあたりに戻ってきた。
出入り口に近く、一番目立つ場所に置かれている本は大概その本屋イチオシのものや話題のもので、売れ行きを考えてか山のように平積みされていた。
「へえ、売れてるじゃねェか。元親の本」
同じ平積み本でも一番目立つ位置に置かれたそれは、最近ひょんなことで知り合った弥三郎こと長曾我部元親の本だった。
文学賞受賞作家の元親は、今一番旬の作家といっていい。その彼は政宗が司書として勤める大学のOBで、
受賞直後、附属図書館に彼の作品を集めたコーナーを政宗発案で作った縁で知り合うこととなった。OBということと文学賞受賞効果で専用コーナーは今も人気である。
また、どんな偶然か、彼は小十郎の大学時代の後輩でもあった。これには政宗の方が驚かされた。同じ研究室の先輩・後輩だというから、専門分野を考えたら元親はかなり異色の作家となるだろう。文系ならばともかく理工系であんな繊細な表現をするのだから、とんだ才能である。
いつの間にか新刊が出ていたらしい。政宗にしては珍しいチェック洩れだ。
選書の際に元親の作品はひと通り読んだ政宗は一読で彼が書く独創的な世界の虜となり、以来彼の本を買うようにしていた。特に今回は文学賞受賞後初めての作品だ。当然注目度も高いだろう。
元親の作品に没頭する――面白いのだから当然だ。そういう部分は正直な政宗である――政宗に対して小十郎はとやかく言わないが、たぶんあまり靡いてくれるなと思っている筈だ。見るからに大人の男である小十郎だが、ああ見えて意外にヤキモチ焼きだったりする。以前、自分とあの野郎の好みは悉く被ると忠告したくらいだから、政宗の小十郎に対する感情を信じて疑わないまでも釘を刺しておきたいかもしれない。もちろん、刺されるまでもなく政宗は小十郎に一途であって、元親はあくまでも好きな作家の一人であり、ただの友人に過ぎないのだが。
帯に買い手の心理を上手く煽る文句が書かれた新刊を迷わず手に取った。どうやら今作は恋愛ものらしい。
(あの元親が恋愛もの…ねェ)
あらすじに軽く目を瞠ったのは、元親と恋愛作品が結びつかなかったからだ。あの図体のデカいガキみたいな男が恋愛作品を書くなんて意外過ぎる。
尤も、意外性がかえって面白いかもしれない。イメージに凝り固まらず、常に相手を驚かせようと意外性を求める姿勢を政宗は買っているし、またそういうアグレッシブさは政宗の最も好むところだ。
「この厚さなら今日中に読み終わっちまうな」
なにしろ恋人が不在なので時間ばかりが余ってしまっている。そんな休日のお供にはちょうどいいだろう。否、小十郎が不在の時で逆にいいかもしれない。前述のとおり意外にヤキモチ焼きなので、変に誤解した挙げ句に拗ねられても困る。困るとは言っても、結局はそれだけ愛されているということなので、本当のところは嬉しかったりするのだが。
なににせよ、早く読んでしまいたい。というより、早く読みたかった。
彼は自分の作品の一番の読者――という名誉をもらってしまった――の感想を早く聞きたいらしく、いつも新刊を出すとすぐに連絡をしてくるので、すぐに答えられるようにしておきたいというのもある。
今度はどんな世界観を披露してくれるのか期待しつつ、政宗はレジに向かった。




お題配布元:love is a momentさま


准教授×司書シリーズです。
今年のお誕生日月間リクで文学賞受賞作家設定の元親が登場した話を書きましたが、その後のお話となります。
政宗の性格上、元親みたいな人間は絶対気に入る!と小十郎は思っています。
でも、小十郎が思っている以上に政宗は小十郎に対して一途ですので、元親のことを気にいってもちゃんと線引きしているんですよね。
とはいえ、自分が元親に入れ込んでいると拗ねるだろうなあと政宗自身思っているから(けれどそれも愛されているがゆえのことで嬉しいんですが)、小十郎の居ない間に元親の本を読んでしまおうと考えたりする訳です。
別に後ろめたいこともないんですけどね(苦笑)。

Comment







(編集・削除用)


管理者にだけ表示を許可
Trackback
http://sinners.blog13.fc2.com/tb.php/1473-25eb3664
プロフィール

安曇

  • Author:安曇
  • 今日も元気に生きてます。
カレンダー(月別)
05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム
ちびギャラリー
 

presented by.●○紅羽のTWぶろぐ○●
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。