人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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209.鏡の端っこ【戦国BASARA:三政】

(可哀想なヤツ…)
たぶん一歩間違えれば己も同じ道を辿っていたのだろうと思う。
絶対的な信頼を寄せる、唯一の〈世界〉を喪ったら―――きっと己を構成する全てが崩壊する。己もそういう〈モノ〉があるからわかる。
(コイツは―――石田は俺の鏡かもしれねェ…)
政宗は思った。石田三成は己の鏡かもしれない。一歩間違えれば自身も辿っていた姿。けれど、政宗は踏み止まって此方にいる。
可哀想な、ともう一度思いかけて政宗は小さく舌打ちした。三成が鏡であるならば、かける憐憫は自身へと撥ね返る。つまり、それは自身を憐れむことと同じだ。誇り高き竜はそれを潔しとはしない。
カシャンと甲冑が音をたてた。三成との間合いを半歩だけ詰める。程度の違いはあれ、互いに手負いだ。本当は躰を動かすのだって辛い。
「アンタ、仮に関ヶ原で家康を斃せたとして…その先どうするつもりだったんだ?」
政宗は家康に与する人間である。そんな己が口にするべき問いではないということはわかっているが、それでも問わずにはいられなかった。
憎む相手を斃したとしても、唯一の〈世界〉はその手に戻らない。裡にぽっかりと開いてしまった穴はどんなことをしても塞がらない。
「……………、」
答えはない。ただ、ギラギラとした眼だけが政宗を見据えている。
(Ha!つくづく似たモン同士だな。厭になるくれェに)
もう半歩間合いを詰める。
「斃せた事実に満足して死ぬか?」
「貴様…、何が言いたい」
「天下がアンタの手に落ちなかっただけ良かったって言いたいのさ。結局アンタはアンタの復讐が完結すりゃあそれで満足なんだろう?残った世界なんざどうだって構わねェ。アンタの〈世界〉はもうとっくにねェんだからな」
「なぜだ。なぜ私を殺さない。生きて無様を晒すなど私は許さない…!」
「そいつが手前勝手っていうんだぜ?アンタは日ノ本を二分する合戦を引き起こした首謀者の片割れとして、この先を見届ける責がある。勝手に退場するのはそれこそ許さねェ。You see?」
「―――っ、」
「それに、」
と口を開きかけた政宗は、そこで小さく嘆息した。
馬鹿なことをしでかそうとしている自覚はある。家康と―――何より己が右目にどう言い訳するか、家康はともかく小十郎はさぞ苦虫を噛み潰した顔をするに違いないと思いつつ、自身がこれからとろうとする行動の理由を考える。
(犬猫と同じノリで拾ってどうするのですっ!って説教されるかもな。ま、説教で済めばいいが)
政宗がまだ幼名で呼ばれていた時分、弱った動物を拾っては小十郎を困らせていた。あの時と感覚的には同じかもしれない。
なるほど弱った動物か、と苦く笑う。
政宗は弱ったものを見過ごせる性質ではない。それを人は『優しい』というけれど。
「それにアンタを見ていると、俺を見ているようでな。認めたくはねェが、似ていやがるんだよ。―――なあ、石田」
三成に向かって手を差し伸べる。その行為に三成がぎょっとした表情を浮かべた。それはそうだろう。敵方の将が手を差し伸べたのだ。それも絆を掲げる家康ではなく独眼竜が、である。
「………何の真似だ」
「俺がアンタの〈世界〉になってやる」
「何を愚かなッ。貴様如きが秀吉様に及ぶものか、驕るな!矮小な小蛇風情が」
「その矮小な小蛇風情の俺がアンタの生殺与奪を握ってるんだぜ?」
噛み付く気力は残っているらしい。
そして、自身の〈世界〉が豊臣秀吉であることを石田は頭から認めている。
上等だ。
「アンタは良くも悪くも〈捧げる対象〉がねェと生きられねェんだ。たぶん家康は早くからそれを見抜いていて…危惧していたんだろうな、アンタの友として」
「―――っ、」
「生憎俺には、俺に全部を捧げてくれる右目がいるが…アンタを請け負うことくれェはできる」
「勝手なことをほざくなぁぁぁっ」
「石田、」
「勝手なことを…私は、私は認めない!」
きっとそう言うだろうと思っていた。本当に厭なるくらい似ている相手だ。己が逆の立場でもそう吐き捨てるだろう。
だが、政宗は決めたのだ。

―――空っぽになったアンタの〈世界〉、俺がその先を見せてやる。
書き出した当初は、もっとギャグ要素を入れるつもりだったんですが…もはやそんな余地なし(苦笑)。
予定とは全く違う方向に進んでしまいました。
本当はねー、(家康vs三成)×政宗という構図だったんです。
或いは小十郎と共同戦線を張る三成vs家康。

…そんな設定のかけらも残っていないお話ですorz

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