人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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トマトの日【戦国BASARA:小政】

ああ、畑で陽光をいっぱいに浴びて日々瑞々しさを増す赤茄子のようだ。
目の前で顔を真っ赤にして詰っている可愛らしい主を見ながら、小十郎は知らず頬を弛める。戦場では苛烈さばかりが際立ち、公人としては良き施政者として民草にまで称えられる若き竜だが、こうしてほんの僅かの時間私人に立ち戻り、小十郎の前でだけ見せる素顔は――幼少から一番傍近くで慈しみ、育て、愛情を注いできたという事実を差し引いたとしても――可愛らしいものだ。
「こ、こじゅうろうっ!」
「どうなされましたか、政宗様」
粋な柄の着流しの裾から覗く白い脚。その色の白さは奥州人特有のもので、特に政宗は日に焼けてもその時に赤くなるばかりで、雪膚を失うことはなかった。
対して小十郎は畑仕事に勤しむ機会が多い所為か、日に焼けて肌は浅黒い。それが鍛え抜かれた逞しい体躯によく似合うと政宗は褒めてくれるのだが、翻って自身の色白さをあまり快く思っていないようだ。
どうやら戦人のわりには細い――ともすれば華奢な印象さえ与える――体躯を際立たせるみたいで面白くないらしい。無論彼の肌の白さも筋肉が付きにくい体つきも生まれつきのものだし、それを何ら引け目に取ることもない。そもそも彼の武将の質はそれらを霞ませてしまうほどに輝かしいのだから。
その白い脚を先ほどから小十郎は撫でていた。勿論性的なことを意図してではなく、純粋に主の疲れを解すためである。
「小十郎っっっ」
主にしては珍しく随分と余裕のない―――切羽詰まったような声だった。そんな彼に向かって、涼しい表情で「どうしました?」と再度問うてやる。彼の変化がわからぬような小十郎ではないから、勿論わざとだ。
すす、と優しい手つきで布を撫でるみたいに擦り続ける。ほんのり色づいて敏感になり始めている肌は、ほんのちょっとの触れ合いでも過敏に反応して、それがまた口惜しいのか、政宗は小さな身震いをするたびにきつく左眼を閉ざした。
「政宗様は小十郎の畑の赤茄子のようにございますな」
「な…っ、テメエ。言うに事欠いて主の俺を畑の野菜と同列に扱いやがっ……やめ、それ―――っ」
「小十郎の畑の赤茄子はどれも瑞々しく真っ赤に熟れて食べごろにございます。―――ちょうど今の政宗様のように」
「………―――っっ、」
鋼色の瞳を細めてクスリと笑ってみせる。少しばかり色を匂わせた偽悪的な笑みだ。
「お前が…っ、イヤラシイ触り方しているからだろっ!」
「これは心外な。この小十郎、政宗様のお疲れをとるべくおみ足を揉み解しているだけにございますが」
「You’re liar!」
「南蛮語で申されても小十郎には理解しかねますな」
「Shit!」
忌々しげに舌打ちをして、なおも南蛮言葉で毒づいた政宗は赤く色づいた顔を益々赤くして吼えた。
「い、今が食べごろだって言うならさっさと食えっ!」
ここが潮時だろう。彼のひとをあまり虐めすぎてはいけない。何事も匙加減が重要である。
「御意に」
答えた小十郎は投げ出された主の白い脚に恭しく口づけた。




10月10日「トマトの日」一日遅れですが。
小政の絡み場面に行き詰って、息抜きがてら書いたものです。
政宗が小十郎に翻弄されてるっぽくなっているのは、今書いている原稿の反動かも(苦笑)。
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