人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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初雪【戦国BASARA:小政】


アドベントカレンダー挑戦中なのですが、今日はクリスマスから離れて小十郎追悼話です。
旧暦命日に追悼話を書けなかったので、じゃあ新暦の命日こそは!と思っていたんですが、12/4は普通に小政をアップしていました。(だってアドベント挑戦中…)
そんな訳で出遅れましたが、今日は(アドベントのお題で)追悼話です。
小十郎喪失につき、苦手な方もいると思うので昨日に引き続き本編は折り畳みです。
明日からはまた幸せ仕様に戻りますよ。




「こじゅうろう、」
悴む指先に真っ白な息を吹きかけながら、背後をふり返る。政宗の背後三歩下がったその位置は、政宗が梵天丸と呼ばれていた時分に傅役として傍に侍り、長じては竜の右目として共に在った片倉小十郎の定位置だった。
ふり返ってもそこに在るべき人はもういない。伏し目がちに「いつまで経っても慣れねェなァ」と呟き、自嘲気味に笑ってみせた。
当たり前のように背後を窺う癖がついてしまっている。政宗にとってそれは息をするみたいに自然なことだったのだ。
「―――なあ、小十郎」
息を吹きかけても悴んだ指は悴んだままだ。小十郎が傍にいてくれればすぐさま見咎めて、節ばった大きな掌で包み込んで温めてくれただろう。その愛しい温もりも喪って久しく、政宗の手はいつまでも冷たいままだ。
冷たい指先を懐に突っ込み、さくさくと新雪の降り積んだ庭を歩く。
「初雪が降ったんだぜ」
奥州はこの日、初雪が降った。例年に比べれば些か遅い。大地を覆った柔らかな新雪もあっという間に根雪となり、奥州は長く白い闇に閉ざされることになる。この六花はその先触れだ。
一眼を細めて雪空を仰ぐ。天から落ちてきた雪の花が頬にぽつりと当たり、溶けて消えた。泣けなくなった己の代わりに泣いてくれる、まるでそれは涙のようだと思った。
なあ、小十郎。
「不思議だな。お前を失ったら俺は生きていけねェってずっと思っていたのに………」
一度めの右目喪失には耐えられたかもしれない。けれど、二度も右目を失うことは耐えられそうにもない。それくらいその存在は深く、根強く政宗の中に植え付けられてしまったのだ。だからお前は俺から離れるな。俺を生かしたいなら俺の傍から決して離れるな―――何かあるたびに政宗はそう訴え、訴えられるたびに小十郎は困ったような嬉しいような複雑な表情を浮かべることで応えてくれたのだけれど。
「………お前を失ってもどうしてだろうな。俺は生きてる……」
何もかも変わらない。
心臓は動き、呼吸をし。食欲もあれば、眠くもなる。喜怒哀楽は以前に比べて薄くなったが、一応は感情も動く。
何も変わらない。何一つ変わらない。
時は流れ、季節は移ろっても。

ただ。
そこにお前がいないだけで。
何処にもいない、だけで。

なあ、こじゅうろう。


降り積むこの雪のように。



「お前を想ってこのまま―――」



俺も消えてしまえればいいのに。
そうしたらきっと幸せな気持ちのままで閉じ込められるのに。


お題配布元:love is a momentさま



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