人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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日常までがイルミネーション【戦国BASARA:小政+元親】

編集担当から思いがけずにクリスマスプレゼントを貰ってしまった。高級ホテルに入っているイタリアンレストランのディナー券である。手に入れるの大変なんですよ、と当人は力説していた。確かにこの時季は予約を入れるのも大変そうだ。
とはいえ、それは元親のためにわざわざ取ってくれたものではない。何らかの理由があって使い道がなくなってしまったところにたまたま元親が現れた―――そんなところだろう。どうせ接待か何かに使うつもりだったに違いない。
そんなチケットが今、元親の手にある。
長く元親の担当を務めてくれているだけあって、気心も知れた相手である。
『せっかくのクリスマスなんですから、彼女さんと過ごしてくださいねー』
などと余計な言葉とともに押し付けられてしまった。
長く担当を務めているのだ。元親に女の影がないことぐらい知っているだろうに。というか元親の性格上、一つのことに没頭してしまうと脇目も振らず邁進してしまうので、目下彼女を作る暇がない。今は執筆活動でいっぱいいっぱいなのだ。
それともあれか。この歳になっても女の影が一つもない自分をかえって不憫に思って恵んでくれたのか。
「………カノジョ、ねえ」
余計なお世話だと口の中で毒づく。
自分で言うと虚しくなってくるのだが、一緒にクリスマスを過ごすような彼女はいない。彼女はいないが、一緒に過ごしたいと思う相手は元親にもいた。
ただ―――誘うのがいろいろな意味で難しいだけで。
「クリスマスだもんなあ。間違いなく予定が入っているよな」
世の中にここまで自分の好みのど真ん中を衝いた相手が存在するとは思わなかった元親は、当然の如くその相手に恋をしていた。
ただ些か乗り越えるべき障壁があったのだ。

一、その相手が同性である。

ノーマルな元親は勿論女の方が好きである。だが、もし自分の好みのど真ん中を衝いた相手が哀しいかなたまたま同性であった場合、まあ同性でもいいかと思う程度には寛容だった。世の中男と女、二分の一の確率なのだ。仮に同性だからと涙を呑んでも、次にそこまで好みに副った異性が現れる保障はない。それならば今を受け入れるべきだ。また、自分自身性に然程固執しないのは大学時代の先輩の影響があるためと思われる。それゆえ、この壁はクリアだ。

一、その相手に既に恋人がいる。

実のところ、これが乗り越えられない壁だった。元親が「あ、好みのど真ん中」と思った時には、その相手は既に他人のものだったのだ。しかも、元親が多々影響を受けた件の先輩のものだったという泣きたくなるオマケ付きである。初めから見込みがないと言われているようなものではないか。
確かにその先輩とは人に限った話ではなく、何から何まで好みが被っていた。だからこそ好きになった相手も被ってしまったというわけだ。先輩の恋愛の対象は男だというのに―――同じ相手に惚れてしまったというこの確率は一体どうしたことだろう。
そんなわけで。
クリスマスなどという恋人達が盛り上がるイベントの日にその人がフリーでいるとはとてもではないが思えなかった。クールで硬派な先輩であったが、恋人のこととなるとまるで人が変わったように独占欲丸出しなので――これがまた可笑しい――、余人を排除して心置きなくイチャつくつもりでいる筈だ。端からそれがわかっているのに誘うなど徒労もいいところである。
それでも。ダメ元で誘ってみるのが元親であった。


「あア?」
書架整理に勤しんでいた政宗の手が止まる。上目遣いに左眼を向けられた元親はひどくバツの悪そうな顔になった。
「いや、その…な。担当からクリスマスディナー券を貰っちまってよ。もし良ければ一緒にどうかなーと思って」
「Ha,他に誘うヤツはいねェのかよ。例えば彼女とかさ」
「…いねぇからお前を誘ってんだろうが」
可哀想なヤツ、と憐れむような目で見られたらたぶん立ち直れないような気がする。今の言い方はまるっきり“いないから仕方なくお前を誘った”だけれども、本音は“最初からお前を誘いたかった”なのである。そんな元親の本音など伝わる筈もない。
「いや…急な話だし、勿論予定が入っていなければの話だけど、よ」
小さく息を吐いた政宗は手にした本を書架に片付けると――彼は元親の母校の大学の図書館司書である。ちなみに彼の恋人である元親の先輩は研究室にそのまま残って、今では准教授様だ――、今度は正面から元親と眼を合わせて「いいぜ」と答えた。
「え?」
思わず元親の右眼が丸くなる。予期せぬ回答を貰ってしまったからだ。
「だから、構わねェって言ってる。それってクリスマスイヴの日だろ」
「お、おう」
まさかそんな二つ返事であっさりとくるとは夢にもも思わなかった。ドッキリか何かだろうか。それともやっぱり憐れまれている?
「いやでも、片倉さん…は?」
「小十郎?知るかよ、あんなヤツ。薄情にもほどがあるってんだ!」
館内はお静かに、という張り紙が目に入っているだろうに、勢い政宗の声が大きくなった。慌てて声を潜める。
「小十郎はその日、泊りがけの出張だ。何もわざわざクリスマスを選んで研究打合せに行くことはねェのによ」
訊けば、先輩―――片倉小十郎は、よりにもよってクリスマスイヴから研究打合せと称して関西方面に出張だという。戻りは二十六日だというから、見事に恋人達の一大イベントを無視した恰好だ。それで蔑ろにされたと政宗は拗ねているらしい。どうやらそれが原因で数日前から喧嘩もしているようだ。
(この場合、ラッキーって思えばいいのか?)
元親にしてみれば、思わぬ幸運が転がり込んできた感じである。
どんな経緯があるにせよ、政宗とクリスマスデートだ。気合いが入らない筈がない。ディナー券をくれた編集担当には感謝してもしきれないくらいだ。
世の中神も仏もねぇと思うことが多いが、この時ばかりは神も仏もいるんだな………と思う現金な元親だった。





お題配布元:love is a momentさま





アドベントカレンダー7日目。今日で一週間になりました!
7日目の今日は司書ムネです。
そして、またもや今回のアドベントでフィーバーしている“喧嘩しています”話(苦笑)。
今回元親が出張っています。司書ムネでは当て馬役の彼なのでたまにはいい想いをさせてやろう!と思ってみたものの…やっぱり通常運転モードです。(でもこの後ちゃんとクリスマスデートは果たしました。)
続きで内心穏やかでない出張先の小十郎話があります。
こちらは後日のアドベントで。


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