人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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お星さまのオーナメント【戦国BASARA:家政】

十二月に入った途端、街はクリスマス一色に様変わりする。ディスプレイはクリスマス仕様となり、クリスマスソングが流れ、そんな周囲に追い立てられるようにして、家庭でもクリスマスの準備を始める。
「竹千代、今日はクリスマスツリーを飾るぞ!」
朝から家康はクリスマスツリーの飾り付けで張り切っている。ひとり息子に「となりの佐吉のところよりも大きいツリーがいい」と注文をつけられ、「よーしっ、」と無駄に張り切っていた。子供ながらも他者と張り合う心を忘れていない、我が子ながらその心意気は頼もしいぜと政宗も頬を弛める。家康はどうか知らないが、少なくとも政宗が子供の頃はやはり何をするにも周りの子供と張り合っていた憶えがある。おそらく竹千代のあれは、政宗の血に因るものだろう。
ツリーの飾り付けは家康と竹千代に任せて、政宗はキッチンに立った。どうせツリーが完成したら、竹千代は隣家の佐吉――同じ幼稚園に通う仲が良いのだか悪いのだかよくわからない間柄の友達である――を家に呼ぶのだろう。となれば、おやつの一つでも作ってやらねば体面が悪い。
「クッキーでも作るか」
子供好みの甘い政宗手製クッキーは竹千代のお気に入りだ。というより、竹千代は政宗の手製ならば何でもお気に入りである。ゆえに偏食もないので大助かりだ。家康も全く同じなので、本当に似た者親子だった。
出来上がった時の竹千代のほわほわした笑顔を想像しながら政宗がクッキー作りに取り掛かって暫く経った頃、突然リビングから火がついたような泣き声がした。
「What?」
尋常ではない泣きっぷりに、何が起こったと政宗が血相を変えてキッチンを飛び出す。家康と竹千代がツリーを飾っているところはキッチンからは死角になっていて見えないのだ。
「竹千代?!」
はしゃぎ過ぎてよもや怪我でもしたのではないか。それにしては一緒にいる家康の声がしない。仮に怪我をしたのであれば、家康が慌てている筈だ。
どうしたっ?と現場に――さして広くもない家の中だからすぐだ――行けば、完成間近のツリーを背にぺたんと座り込んだ竹千代がわんわん泣いていた。家康はというと、息子がわんわん大声で泣いているというのに全く顧みることもなく、それどころか鼻歌混じりで呑気にオーナメントを飾りつけている。
おい、と大人に詰め寄るのはひとまず後回しにして、政宗は竹千代の傍に寄って宥めるように小さな背を撫で擦ってやった。
「Don’t cry ,my sweet babe.何があったんだ?」
しゃくりあげながら泣き顔を向けてくる竹千代に優しく微笑みかける。クルリとした大きな目――顔の造作は政宗よりも家康似である――は泣き濡れて真っ赤だ。こんな時ではあったが、「ウサギみてェ」と思ってしまった。
「泣いてちゃわかんねェだろ。何があった?」
指先で涙を拭ってあげる。竹千代は尚もえぐえぐとしゃくりあげながら、「いえやすが………」と言った。
「家康が?家康がどうした?」
「いえ…っ、いえやすが竹千代のおほしさまをとったぁぁぁぁ」
「――――――っ?」
治まりかけていたのが、“竹千代のお星さまをとった”で口惜しさがまたぶり返したのだろう。再び火がついたように泣き出す。それをまた宥めながら、政宗は眦を吊り上げてぐりっと家康に顔を向けた。
「Hey,どういうこった?竹千代がそう言っているが」
「知らんなあ。ワシ、竹千代が泣くような悪さをした覚えはないぞ」
しらんぷりである。
「それより見てくれ、独眼竜。ほら、ツリーが完成したんだ。夜になったら電飾をつけような」
家康は両手を腰に当てて満面の笑みを浮かべた。
そんな家康とは対照的なのが竹千代である。恨めしそうにツリーを見上げ、涙に濡れたその目で家康を見、しゃくりあげる。
「竹千代、」
ああもう、と小さく息を吐いた政宗は泣き止まない幼子を抱き上げると「泣くな」と柔らかな頬にキスをした。涙の味がする。
「おほ…おほ、しさま…竹千代、の」
「お星さま?ああ、ツリーの天辺のか。Ok,あれをお前が飾りたかったんだな?」
こくり、と小さな頭が上下する。なるほど、自分が飾ろうとしていたものを家康が飾ってしまった―――というところか。ここで問題なのは不注意かそれとも確信犯か、である。前者ならば「ごめん」と謝って済むことだが、後者の場合は家康が幼子相手に大人げない真似を本気でやらかしたことになる。
そして大変面倒なことであるが、こういう時は往々にして後者であることが多い。
「竹千代の背では届かんだろうが。っていうか、お前なにワシの独眼竜に抱きついているんだ。子供だからって許さんぞ」
「のー。まさむねは竹千代の」
ぎゅうと首にしがみつく姿を目の当たりにした家康の笑顔が微妙に引き攣った。笑みは貼り付いているが、目は笑っていない。見かけ好青年である家康は、決して見かけどおりではないことを政宗は伴侶であるがゆえに思い知っている。
「ははは、愚かなことを言いおって。独眼竜はワシのものだというのはお前が生まれる前から決まっていることだぞ。第一、ワシの竜だからこそお前が生ま―――」
「家康っ!」
無駄に滑らかに滑る家康の口に手を押しつけ――竹千代は片腕で抱き直した――思いっきり塞いでやった。むぐぐとくぐもった声が洩れる。
「照れることないだろう?」
「照れてねェっ!そんなことより子供相手に大人げねェ真似すんな!」
「何を言うんだ、独眼竜。ワシは竹千代を一人の人間として扱っているんだ。ワシからお前を奪うという気概を見せているのだから、ワシも全力で相手しなくてはな」
全力で相手している結果が―――これ、なのか。
「いえやすのじゃない!竹千代の!」
「いいや、ワシのだっ。言っておくがなあ、お前なんかこれっぽっちも入る余地はないぞ!」
「……………」
呆れて全身から力が抜けていくようだ。言葉も出てこない。
「お前ら…………」
自分を挟んで尚も繰り広げられる度の過ぎたコミュニケーションに、政宗は「いい加減にしてくれ」とばかりに大きな溜息をついたのだった。





お題配布元:love is a momentさま


旦那さん家康と奥さん政宗と息子の竹千代―――徳川さんちのお話。
一度じっくり腰を据えて書いてみたい設定でもあります。
ちなみに奥さんは竹千代が通う幼稚園の先生。(竹千代の担任は元親先生)
徳川さんちの隣家は豊臣さんちで、佐吉くんと竹千代は同級生。佐吉も同じ幼稚園に通っていて、担任は政宗先生。なので政宗べったりの竹千代は、政宗を巡っていつも張り合っている始末。
家に帰れば家康が政宗にべったりのため、やはり家でも政宗を巡って親子で仁義なき戦いを繰り広げている模様。

…と、まあそういう設定だけは朧にできているのでした。

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