人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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俺の負けでいいよ【戦国BASARA:小梵】

瞼が今にもくっつきそうだというのに頑なに「眠くないっ!」と言い張る梵天丸を抱き込んだまま、小十郎は途方に暮れていた。
宥めて賺して―――子供騙しにしかすぎぬ手立てが子供である梵天丸には通用しないのはわかっているが、それでも「そろそろお休みいたしましょう?」と水を向けてみても、小十郎にしがみついて、いやいやと可愛らしく首を横に振る。
「梵天丸さま、」
「眠くないと言っている!」
さてどうしたものかと小十郎は密かに溜息をついた。幼子をあやすように背中をとんとんと叩いてやる。眠くはないと当人は言い張っているが、抱き込んだ小さな躰は少しばかり体温が高い。やはり眠いのだ。
梵天丸の駄々は今に始まったことではない。が、今宵ばかりは幼児返りでもしたのか、駄々を捏ねて小十郎を困らせる。
大晦日である。大広間では年越しの酒宴が続いていて、少し前までは梵天丸も嫡男として宴に出ていた。
大晦日の伊達の酒宴は夜通し行われるのが通例なので、子供である梵天丸が最後まで付き合うことは叶わず、毎年区切りのいいところで小十郎に連れられ席を外すことになっている。小十郎は梵天丸の傅役であると同時に伊達家の禄を食む身であるため、梵天丸を寝かしつけたら酒宴に戻るよう輝宗に申し付けられていた。
輝宗にすれば、一年無事に傅役を務めあげた――なにしろ小十郎が梵天丸の傍に侍るまでは癇の強い梵天丸の傅役が三日と続く者がいなかったそうだ――小十郎を労おうというのであろう。或いは梵天丸を寝かしつけた後くらい役から離れても構わない、そういう心遣いかもしれぬ。伊達輝宗という人は懐の大きな人であるから。
だが、小十郎は朝も昼も晩も―――変わらずに梵天丸の傍で梵天丸の傅役でありたかった。梵天丸は確かに手を焼くが、駄々も我儘も苦とは思わない。だから気遣いは無用なのだが、そうは言っても若輩の身ゆえ、あまり強く主張はできない。そのために梵天丸を寝かしつけた後にいつも少しだけ酒の相伴に与っている。
梵天丸は己が寝た後で宴に戻る小十郎に気付いているのかもしれない。否、気付いている。だからこそのこの所業だ。
「梵天丸さま、我を張らずにもうお休みなさいませ」
「いや…だ。梵天は眠くな、い」
ふにゃふにゃと歯切れの悪い口調。左眼を頻りと擦るものだから、それはなりませぬと窘めて左眼から手を取り上げた。
この期に及んでも眠くないと言い張るか。やせ我慢もいいところだ。
師はへそ曲がりたれ、と常々この子供に解いているが、その教えがちゃんと浸透していることをこんなところで知ってもあまり有り難くはない。
「眠くないはずはありませぬ。常なればもうお休みになっている時間にございましょう?どうして然様に起きていようと思われる」
この年になって愚図る子供をあやすとは思わなかった。このまま言い諭すのも埒が明かないので、抱き込んでいるのをいいことに梵天丸を寝所まで強制連行することに決める。
「こじゅうろっ」
小十郎が梵天丸を抱いたまま立ち上がったので、無理やり寝所へ連れて行くつもりだと察知したのだろう。腕の中で突然暴れ出した。無論、大事な梵天丸を取り落とすような愚かな真似を小十郎がするはずもない。暴れても落とさぬようにしっかりと抱いている。
「梵天丸様は年越しの宴がお気になるので?」
「…………、」
口をへの字に曲げて、むすりと黙り込む。その態度は“気になっている”と言っているようなものだ。存外子供らしい素直な態度に思わず笑みが零れた。
「……だって、」
小十郎の首にしがみ付いた梵天丸は、不貞腐れ気味に不満を転がす。
「だって、梵天が寝たら小十郎は父上のところに戻るのだろう?」
やはり聡い子供だ。
「梵天は小十郎と一緒にいたい。だけど、梵天が寝たら小十郎はお役ご免であっちに戻ってしまうのだろ?」
だったら梵天は寝ない。梵天がこうして起きている限り、小十郎は梵天の傍にいなければならないのだからな。
「梵天丸様―――」
「小十郎と一緒にいるためだったら、梵天はいつまでも起きている、ぞ」
言っている端からふわりと小さな欠伸が解け出てくる。
「梵天丸様、今お口から欠伸が出ましたな」
「のー。欠伸じゃないっ。い、今のは…そうだ!深呼吸をしただけだ」
可愛らしい言い訳。
「然様にございますか。梵天丸様は眠くないと仰られますが、小十郎は少々眠くなってしまいました。そろそろ休みたいと思うのですが……小十郎の今年最後のお願いをひとつ、眠くなってしまった小十郎のためにどうか添い寝いただけませぬか」
「――――――っ」
弾かれたように躰を離して小十郎を見る梵天丸の眼差しが絡む。負けず嫌いな大きな瞳は『してやられた!』という悔しさを滲ませていた。抱き上げているからできなかろうが、足が床についていたら地団駄を踏んでいたかもしれない。
「し、しかたないな。小十郎がどうしてもというなら……梵天が添い寝をしてやる」
「有り難き幸せ」
途端、瞼が落ちそうにとろんとしてきた円らな瞳を見つめ、小十郎は唇に柔らかな笑みを作った。


お題配布元:color seasonさま


朝イチで昨日の戦利品を目いっぱい詰め込んだゆうパック宝箱が届いて、ホクホクしつつ大みそかです。
昨日は袋をいくつも抱えて重い思いをしたのに、箱に詰めるとそうでもなくて…あの重さは一体なんだったんだ!!!(昨日荷造り中にお友達とも話してたんですけど。)
お蔭で今日は久しぶりにひどい筋肉痛です。腕も痛ければ、背中も痛い…(泣)。


そんなわけで、今年最後の更新です。
今年最後の更新は久々「闇を~」の二人にしようかとも思ったんですが、変更して小梵にしてみました。
クリスマスお題の時も結構小梵の拍手をいただいていたので、せっかくですからお礼を兼ねて。
若頭補佐と警察官は浮かんでるネタがちょっと破廉恥気味なので、サイトの方で(苦笑)。



今年最後の更新が今年最後の日記になりますね。
ですのでご挨拶をば。
今年もBASARAに終始した一年でした!
イベントに参加したり、舞台に行ったりと…充実した一年。この一年に悔いなしっ!
いろいろな人とお話したり、お世話になったり、助けられたり………優しさが身に染みる一年でありました。
来年もまだまだ推して参る所存です。小政も家政もまだまだ書きたい話があるので。
あと挑戦したいことも。
よろしければ引き続きお付き合いいただきますと嬉しく思います。
あ、来年は(あまり呟かない)ツイッターを始めてみようかと思っています(苦笑)。今更ですが。


今年も一年、ありがとうございました。
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