人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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18.右手と、左手【戦国BASARA2:小政】

狐面を斜に被り、政宗は風車に息を吹きかけては回しつつ歩いた。右手はずっと小十郎の左手と繋いだままだ。大の男二人が手を繋いで往来を歩くというのは傍から見てどんな絵面だろうと思うが、「早くしろ」と祭見物に託けて勢いで小十郎の手を掴んでしまって、それから何となくそのままになっている。小十郎も離そうとしないから、互いに言葉にはしないけれど離れ難く思っているのかもしれない。
少し汗ばんだ掌。それはだが、決して不快なものではない。節くれだった大きな手は、政宗が幼少の頃から少しも変わらずに政宗に安心感を与えてくれる。
「どうしました、政宗様?」
無意識に笑みを浮かべていたらしい。窺うように小十郎が訊いてくる。その精悍な顔を見上げ、政宗は更に笑みを深めた。
「政宗様?」
「なんか…こういうの擽ってェなと思ってさ」
そう答えて、繋いだ手を見せれば、小十郎もまた「ああ…」と合点したように笑みを浮かべた。間近にそんな表情を目にするのも、なにやら面映い。
「…でも、悪くねェ」
「そうですね」
どちらからともなく握る手に力が入る。それは離れたくないと、離したくはないと思っている証拠だ。
次第に遠のいていく笛の音。太鼓の音。代わって辺りを覆い始める静けさ。
城までは然程の距離ではない。けれど、今はその道程が長ければ長いほどいいのにと思う。そうすればこんな風にずっと手を繋いでいられるではないか。
何もかも───世情とか立場とかそういう面倒なものを一切忘れて、素直に甘えられるではないか。
「…なあ、小十郎。この手を離すなよ?」
「何を今更。貴方が嫌だと云っても、この小十郎。手離す気など更々ありませんよ」
「…Good」
小十郎の言葉に安堵する自分がいる。そんな自分を気取られてしまうのが恥ずかしくて、政宗は繋いだ手をグイと引っ張った。チラと小十郎の顔を盗み見れば、何もかもお見通しみたいなそんな表情をしていて、悔しいけれど結局は敵わないのだと思い知る。
「政宗様。今宵はせっかくの夏祭です。このまま城へ戻るは些か勿体ない気もするので…ゆっくりと余韻を楽しみながら戻りましょうか」
こちらの心境を覚ったかのような小十郎の申し出に。
応、と政宗は嬉しそうに頷いたのだった。



365題 お題配布元:capriccio



「だからこの手を離さない」の補完的な話。
こちらは筆頭視点で。
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