人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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355.蝙蝠【戦国BASARA2:チカダテ】

「西海の鬼の機嫌は大時化だって聞いていたが…成程、随分と荒んでんじゃねェか」
元親が自室兼作業場としている部屋の惨憺たる有様に、訪れた政宗は軽く左眼を瞠り、ヒュウと口笛を吹いた。そんな竜に対して表情一つ動かさず胡乱な眼だけを向けて、元親は「どうしてアンタがここにいるんだ?」と低く問う。無論、その程度のことで怯むほど独眼竜は殊勝な性格をしていない。
「俺がアンタに逢いにきちゃいけねェってのかよ」
そんな可愛いことを云われれば喜んでもいいところなのだが、如何せん今の元親の荒んだ心根には響かない。
「Ha!情けねェツラしやがって」
「何しに来た?」
「だからアンタに逢いに来たって云ってるだろ。それとも、派手なpartyをおっ始めようとしているアンタのために同盟国の誼で援軍を率いて来てやったとでも云い換えるか?」
フンと鼻を鳴らした政宗は口角を吊り上げてニヤリと不敵に笑ってみせた。竜は長曾我部軍の現状をちゃんと把握していて、御大将自らが援軍として出向いたというのだ。関東まで勢力を伸ばしつつあるとはいえ伊達の本拠は奥州、そして対する長曾我部の本拠は四国である。陸続きであればいざ知らず、間に海まで隔ててはおいそれと移動できる距離ではない。それ以前に、隙さえあらば天下統一を狙わんとする武将達が治める領国が奥州と四国の間には幾つもあって、下手に軍を動かそうものなら道々戦に発展しかねない。しかし、政宗はそれでもここまでやってきた。聞けば、少しでも時間を稼ぐために海路をとったのだという。日の本の海の制海権を握る者は正確に云えばまだいないから、邪魔がないのだ。進路を阻む者と云えば海賊ぐらいだろうが、伊達軍からすれば敵にもならないだろう。毛利や豊臣も屈強の水軍を持っているが、今はどちらも自国のことで手一杯で仕掛けるほどの余裕はない筈だ。
「仔細は香曾我部から聞いたぜ」
「親泰から?」
「いいねェ。魔王のオッサン相手にpartyたァ、なかなかcoolじゃねェか。元親」
好戦的な性格の政宗は俺も交ぜろと一頻り楽しそうに笑って、不意に表情を改めた。
政宗の左眼がきつく元親を見据える。
「それで?オッサンに…なに云われて挑発された?」
魔王・織田信長が四国に食指を動かしているという情報は、政宗も放った忍からの報せで早々に掴んでいた。だからこその援軍なのであるが、いざ元親の居城に辿り着いててみれば、いつでも帆を揚げて出陣できるほどの戦準備が整っているようにも見えない。確かに部下達が忙しなく戦仕度を進めてはいるが、大将たる元親はどうだ。自室に籠って酒を呑んで暴れているというではないか。
相手は瀬戸内を荒らす海賊風情などではない。魔王なのだ。魔王相手の戦を前に大将であるアニキがそんな状態では士気に関わる。そう香曾我部親泰に頼み込まれて、政宗は元親の自室を訪ねたのだった。
「元親」
「…無鳥島の蝙蝠」
「What?」
「無鳥島の蝙蝠。つまりは有力武将もいねえ四国で大将気取ってイキがってんじゃねえってよ」
そう吐き捨てるように告げた元親は、拳を握り怒りに身を震わせていた。それは武将としての彼の自尊心をひどく傷つけたことだろう。政宗と元親は性根が良く似ている。己に置き換えれば、やはり元親と同じように政宗も武将としての自尊心を傷つけられ、怒りのままに魔王に合戦を仕掛けた筈だ。容易に想像できる。そして、その心中も。
「…許せねェな」
政宗は険しい表情を浮かべ、ギリと歯を軋らせた。全身から怒りが噴き出すかのような錯覚を与えるほど、彼の硬質の面に凄みが増す。戦を仕掛けるには、或いは死合うには充分な口実だ。
魔王、織田信長。
「Daringを虚仮にされた。…俺にとっちゃあ、戦をおっ始める理由はそれだけで充分だ」
どちらにせよ、いずれは激突する相手である。それが早いか遅いかのことで、今更臆することはない。
「政宗…」
「アンタは蝙蝠なんかじゃねェよ、元親。アンタは竜も認める───いや、竜も惚れた西海の鬼、だ」
売られた喧嘩は買う。それが伊達の流儀だと告げる政宗を暫し見つめていた元親だったが、そんな元親にも本来の彼らしさが戻ってきつつあった。きっかけさえ掴めば、気持ちの切り替えは素早いのが元親だ。
「おう。頼もしいなあ、俺の竜は」
パンと膝を打つ。鬼に竜、魔王相手でも負ける気がしねえと元親が云うと、それに応えるように政宗の貌に不敵な笑みが浮かんだ。
「こうしちゃいられねえな。戦仕度だ」
「派手なpartyを楽しもうぜ」
おうよ、と顔を見合わせた二人は軍議を開くべく颯爽と部屋を出て行った。



365題 お題配布元:capriccio




蝙蝠、ということで無鳥島の蝙蝠ネタ。
史実のチカはそう信長に云われて侮られたようです。>田舎モンとどっちの方が失礼なんだろう。
その時チカの家臣が上手く切り返してみせて、信長に褒められたとかなんとか。
そんなこと云ってるうちにあれよあれよとチカは四国を統一しちゃって、いよいよ信長が本気で潰しに掛かろうとしたところで本能寺の変が起きてしまったとか。

最近、資料と称してそういう本ばっかり読むもんだから、戦国時代に詳しくなっています。まあ、元々素地はあったんだけど。>きっと今高校生やらせてたら日本史の点数だけは凄いと思うよ(苦笑)。
最近のバイブル、戦乱の日本史。
週刊だから、ジャ●プ並みに買うのが大変だけど。>とりあえず、摺上原までは買うと心に決めてる。
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