人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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勿忘草第10話ぷれ

第10話を書き始めています。
一応クライマックスは頭の中で固まっていて、そこから続く数年後設定の終章も決まっているんですが…。
今はちょうどクライマックスに至るまでの部分。頑張って今週末にはどうにか更新できればいいなあ、と思っています。
勿忘草を書きつつ、以前『生体人形』でチラ見せした本編を錬成中。



以下、書き途中の第10話ぷれです。

本邸には決して政宗が立ち入ることを許されない、不可侵の領域がある。それが政宗の母が日常を過ごしている母屋の東部分だ。母が住まう東部分だけは未だに立ち入ることを許されてはいない。尤も、それを淋しく思う歳はとうに過ぎてしまったが。
幼い頃から人の感情というものにはひどく敏感な政宗だったから、母が自分を『要らない子供』と看做していることは薄々勘付いていた。それでも愛してほしくて右眼を潰すという暴挙に出ても彼女の評価は何ら変わることはなく、それを機に彼女の愛情を強請ることは諦めてしまったのだが、そこまで割り切れなかった子供の頃、母恋しさに東部分に立ち入って何度となくつらい想いをした。
彼女の愛情は幼い弟に傾く一方で、そんな彼女と弟の姿を目にするたびに、羨ましさばかりが募り、また自分には決して得られないのだと見せつけられているようで。凄く悲しくて、東部分に潜り込んだ日の夜は必ず普段は強がりの政宗も布団の中で泣いていた。
そんな過去の自分を思い出し、政宗は密かに嘆息した。
「…ったく、肝心な時に限って成実も見つかりやしねェ」
小十郎どころか成実も見つからないものだから、ついとりとめもないことを考えてしまうのかもしれない。或いはロクでもない過去の思い出。どちらにしろ面白いことではない。
その時だった。
「これはこれは…そこに在るは次期当主殿ではないか」
凛とした声音である。持ち主の性格が滲み出たかの如く強い、声。
背後から聞こえてきたその声に憚らず竦んでしまったのは、決して意識してのことではない。幼い時分から無意識に刷り込まれてしまった<何か>がそうさせるのだ。
「…おふく、ろ?」
ゆっくりと背後をふり返る。
果たしてそこに立っていたのは政宗の母だった。
嫣然と微笑む彼女は幼かった政宗が必死にその姿を追い求めていた、あの頃と少しも変わらない。美しく、傲慢でそして剛い女性だ。そして、政宗はそんな彼女の面差しをそっくり受け継いでいた。紛れもなく、彼女の子なのだと真っ直ぐに見据えながら思う。きっと彼女はそんな自分を快く思っていないだろうが。
「ちょうど良かった。今日はお前にとって佳き日、祝いに私の部屋へいらっしゃい。茶を淹れましょう」
「いえ…でも、俺は」
「政宗」
母が自分の名を呼んだのはいつ以来か。
「母が淹れた茶を飲むのは嫌か?」
「いえ…」
「ならば、いらっしゃい」
決して立ち入ることを許されなかった母屋の東部分。母と弟の領域。
そして───己のトラウマの具現。
政宗の足が竦んだ。
ヒュウと喉が鳴る。 みっともなく震えたのを悟られてはいまいか。
今更ながらに思い知らされる呪縛。
「政宗?」
促されてようよう重い一歩を踏み出した。
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