人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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58.路【戦国BASARA2:小政】

この身の裡の絶対に譲れない、絶対に揺らがない、絶対にブレない───そう、確固としたいうなれば『信念』というヤツを鏡面の如き水面と例えるとすれば。
今の己は予期せずその水面に小石を投げられ、波紋を広げられたようなものだろう。
この感覚を言葉でどう表現すれば判らない。何か重くて澱んだものが痞えている。
「政宗様?どうかなされましたか?」
我に返ると、心配そうな面持ちで見つめている小十郎と瞳が合った。
「いいや、なんでもねェ。ちィっと思案に耽っていただけだ」
「織田、ですか?」
曖昧に頷く。小十郎がそう思っているのなら丁度良い。己の心中はまだ彼には看破されていない、そういうことだ。長い月日苦楽を共にし、断ちがたい絆で結ばれた二人である。<竜の右目>の二つ名を持つ小十郎は、政宗にとって謂わば半身にも等しい存在だった。
<右目>は<竜>の感情の機微を察するのが敏く、それゆえに下手な隠し事ができないのだ。どんなに上手く隠したつもりでも、小十郎には何故か見破られてしまう。
その小十郎にこの乱れた心中を気付かれていないのならば、良い。
(Shit!苛々する)
あの男の所為だ。
前田の風来坊───前田慶次。誰の差し金だか知らないが、諸国を廻って主だった武将に対織田包囲網の必要性を説いていると云った。
天下統一を目論む第六天魔王の眼は東国へ向けられている。あらゆるものを滅却し尽くし、魔王が進む所焦土と化す中、最早東国の武将同士が小競り合いをしている場合ではなかった。織田信長という<脅威>が迫っているのだ。魔王が天下統一を成し遂げてしまえば、間違いなく日の本は地獄と化す。それだけは避けなければならない。それは誰しもが共通して抱いている危機感だった。
ならば、その想いで以て包囲網を形成すれば良い。一軍では心許無くとも、危機感を共有する者同士が今暫し小競り合うことを止め、同盟を組んで『打倒織田』を旗印に掲げれば良い。
魔王相手に結束して一世一代の大喧嘩を売るのだ。
酔狂と思われようがなんだろうが、そのために自分は動いているのだと慶次は語った。
(それで俺が動くとでも?だとしたら、随分とHappyなおツムだぜ)
あの男と自分は背負うものが違う。
慶次は柵を嫌って単独で動いているようだが、自分は違う。己の後ろには国がある。多くの家臣がいて、多くの民がいる。伊達政宗は一国の主、なのだ。
あの男とは、違う。
だから。

『戦場で血を流して死ぬより、好きな人に看取られたいと思わないか』

好きな人に看取られる。それは理想論、或いは綺麗事。
そんな理想論を平然とほざけるのだから、前田慶次という男はどこまでもおめでたいのだ。
このご時世、それがどこまでも夢でしかないということを政宗は知っている。まして本気で天下を喰らう気でいるのならば、そのような甘くて儚い夢など捨てなければならない。
修羅の道行きにそのようなものが待っているとは思えない。

好きな人に看取られる。

政宗はチラリと傍らの小十郎を見遣った。
「政宗様?」
「いや…なんでもねェ」

(そんなもの…望むことなんて…ッ)

「なんでもない、ではないでしょう?斯様な表情をなさっておきながら」
望めない。
望める筈もない。
「政宗様。何を不安にお思いか」
己の感情を優先させてしまったら。己の願いを優先させてしまったら。
<伊達政宗>が<伊達政宗>でなくなってしまう。
それほどまでに。



───己が背負うものは、重い。




サイト10周年カウントダウン6日目。
本日はアニバサ第3話あたりの話から。
慶ちゃんの言葉に心を乱される筆頭のお話です。
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