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人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

LOST ANGELS【戦国BASARA2:小政】

昨日「明日の記憶」第6話を書き上げた後で、続けて書くと云っていた「Requiem et Reminiscence~鎮魂と再生~」のコンセプトをイメージしたお話です。
…運良く書きあがりました(苦笑)。
相棒とポタを観に行く約束をしていたんですが、迎えの時間にいつもの如く30分遅れてくれたので、その間に書きあがった!


今回はBASARA世界を離れて、どっか近未来の軍部という設定です。
世界は二極に分かれていて、一方が織田。そしてもう一方が対織田で同盟を組んだ連合国。
二極に分かれた勢力は戦争に明け暮れ、疲弊している世界が舞台。

【伊達政宗】
連合国軍第四独立遊撃部隊隊長。二つ名は<独眼竜>。
最強を誇る第四独立遊撃部隊の隊長で、出撃した戦いは無敗。それゆえに軍にとっては喪えない存在。

【片倉小十郎】
連合国軍第四独立遊撃部隊所属。二つ名は<竜の右目>。政宗の副官。
政宗の存在が<世界>の総てだと考えている。
軍と同様に政宗は喪えない存在。
そのために、後々罪を犯すこととなる。


いつまでネタが続くか判りませんが…一応カテゴリーは作ってみた(苦笑)。
基本的にこの二人が主軸ですが、他の面子も出てくる予定。
この命捧げて君を救えるなら
この身に火を放ち笑ってみせよう──────






乾いた風が頬を撫でていく。
切り立った崖の上から眼下を見下ろしていた政宗は、持っていたスコープを傍らに控える副官の小十郎に手渡した。政宗に倣ってスコープを覗けば、遥か彼方に敵が大規模な陣を構えているのが見える。
「明日の朝になれば、ここが主戦場だ。殲滅戦になるかもしれねェ」
「はい」
見渡すばかり、砂礫の大地である。いつ果てることも知らない戦いが何度となく繰り返され、この世界の大地は緑を失い、豊かだった記憶を喪い、すっかり倦んでしまっていた。
ただ奪い合う───いつからか世界はそう成り果てて。
「ガキの頃は『生まれ変わったら鳥になりてェ』とか思っていたけどな…」
「政宗様?」
子供の頃はまだ世界もこんなではなかったのだ。
緑があって、光があって。
少なくとも、世界は未だ眩しかった。
無邪気に笑うこともできた筈なのに。
そんなことすらも思えなくなるほどに。
「生まれ変わったら…なんて、そんなこと決して有り得ねェのに、な。そんな絵空事」
ふり返って微笑う、政宗のその儚さに小十郎は思わず彼を抱きしめたくなった。
「死んだら生まれ変わる、なんてねェんだよ。死んだらそこで終わり、だ。何もかも終わる。冷たくなって灰になって…空に還るか、土に還るか。生まれ変わってまた巡り逢う…なんて、御伽噺の世界だけにしておけ」
戯言と片付けるにしても、政宗がこんなことを口にするのは何故だろう。明朝の決戦を前に気が昂ぶっているのだろうか。
それとも。
戦場に於いては常に隣り合わせである『死』を───覚悟しているのか。
「政宗様…」
「小十郎。決して死ぬな。生きて…生き抜いて、俺の背中を護れ」
「この小十郎は貴方の<右目>。命の限り政宗様のお傍で貴方をお護り致します。ですから、明日はどうぞご存分に」
「よく云った。流石は<竜の右目>だな」
明朝、この大地で多くの命が散ることだろう。自軍、敵軍に関わらず。
それが戦争というものだ。そして、その狂気に自分達はどっぷりと浸かってしまっていた。
「政宗様…」
死を怖れたことはない。
だが、死にたいと思ったこともない。
生きて───傍らの人と生きて、ともにその先の世界を見るのだ。

ただ、それだけのために。



夜が明けるのを待って始まった戦いは総力戦だった。
戦場に投入をされれば無敗を誇る、<独眼竜>こと伊達政宗率いる精鋭の第四独立遊撃部隊───通称伊達軍は、最前線に於いて敵である織田軍の大隊を相手に激戦を繰り広げていた。
戦力的には織田勢の方が断然上回っていたが、伊達軍はほぼ互角の戦い様だった。
それは指揮官が優秀であることと、部隊の結束が固かったからに他ならない。伊達軍の結束の固さは随一で、軍に入隊した者は大概第四独立遊撃部隊への配属を希望するほどだった。
指揮官である政宗は決して隊員達を裏切らない。彼等を信頼している。だから、隊員達も指揮官を信頼し、指揮官を決して裏切らず、それが部隊の結束の強さに繋がっているのだった。
「筆頭!大変です!補給路が敵勢に断たれました!」
「何だと?!」
補給路は前線に立つ部隊の生命線だ。それゆえに補給路を断たれた前線の部隊は「死」を覚悟しなければならなかった。殊、伊達軍は現在最前線にあり、敵陣深くに入り込んだ状態だ。補給路を断たれると深入りした分だけ敵勢に囲まれる形となり、完全に孤立することになる。
「政宗様───」
「援軍は?」
「第二部隊の長曾我部、第三部隊の真田ともに織田方の攻撃に遭い、現在応戦中とのことです」
「Shit! 援軍も望めねェって?織田もやってくれるじゃねェか。こちらの勢力を分断して、俺達を孤立させる腹か…」
どおん、どおんと砲撃の音が次第に激しくなる。
ぐすぐずはしていられねェな、と刻々と変わる戦況を見つめながら政宗は呟いた。
この場に長く留まってはこちらの不利になる。しかし、敵勢に囲まれたこの状況下で、執れる良策はそれほどない。
「全軍撤退だ。押しながら速やかに引く撤退戦を仕掛けるぞ。小十郎、撤退の伝令を」
「承知!」
戦において撤退戦ほど難しいものはない。
「緩衝地帯まで退けば、なんとかなる筈だ。テメエら根性見せろよ!」
政宗の檄に伊達軍の兵士達は「オオーッ!」野太い声を張りあげて応えた。<独眼竜>の檄ひとつで、不利な状況にあっても兵達の士気は上がるのだ。
「伊達の者を誰一人欠けさせる訳にはいかねェ。俺は殿につくから、小十郎お前が撤退戦の指揮を執れ」
「何を申されますか、政宗様!」
政宗の命令に小十郎は声を荒げた。
撤退戦の殿。部隊を退かせるために、政宗は敢えて敵方を引きつけるつもりでいるのだ。それが何を意味するか、判らない小十郎ではない。
死ぬつもりなのか。
己には決して死ぬなと───生き抜けと云ったくせに。
己の護るべき者を奪うつもりか。
「申し上げた筈です!小十郎は命の限りお傍で政宗様をお護りすると。貴方が殿を買って出るというのであれば、小十郎もお供を!」
「小十郎、聞き分けろ。撤退戦は難しいんだ。その指揮を任せられるヤツはお前しかいねェんだよ」
「聞けねぇ!」
「小十郎!」
暫しの間、二人は睨み合った。
先に先に根負けしたのは、政宗の方だ。二人の意見がぶつかった時、大概先に折れるのは政宗の方だった。
小さく嘆息をした政宗は肩を竦めると、どこか困ったような笑みを浮かべた。
「ったく、上官の命令を聞かないとは…とんでもねェ副官だよなァ、お前は」
「そうでもしなければ、政宗様の副官など務められませんからね。単騎の貴方はすぐ暴走しますから」
「Ha!頑固者め。しょうがねェ、ぐずぐずしている間はねェんだ。小十郎、お前は俺と来い。いつものように俺の背を護れ。撤退の指揮は綱元に任せる」
「承知!」
再度伝令を命じた後、伊達軍は速やかに戦線から離脱するために撤退を開始したのだった。

どおん、どおんと遠く、近くで着弾する音が響く。
タタタタ、と間断なく続く掃射の音。
織田勢の激しい攻撃の間を縫うようにして、伊達軍は撤退を続けていた。
何処かに着弾するたびに砂塵が空を舞い、熱風が吹き上がる。
容赦なく襲ってくるそれらに視界を塞がれ、伊達軍の動きはここにきて思うようにいかなかった。
(Shit!)
次第に政宗の顔も焦りの色が濃くなる。
「政宗様」
「緩衝地帯まで退けばなんとかなると思ったが…ちィとばかりこいつは難儀だな。綱元達は巧くいっているか?」
「ええ、先陣も多少小競り合いを続けているようですが…被害はない旨、先程打電が」
「Good。このまま凌げれば部隊としては御の字だ。軍勢さえ立て直せば、すぐに織田にお礼参りができる機会が巡ってくるさ」
その時は容赦しねェ、と政宗は不敵に笑ってみせる。
こんな状況下にあっても、政宗は強かった。
強く、そして気高かった。
「俺達が第四独立遊撃部隊である限り、な」
追撃してくる織田軍に応戦する殿の部隊の働きは凄まじい。少ない手勢とはいえ、第四独立遊撃部隊の<独眼竜>と<竜の右目>が揃っているのだ。双龍揃い踏みは、小隊規模だったとしても一個大隊に匹敵する戦力を誇る。
とはいえ、無傷でいられる訳ではなかった。
執拗な追撃で徐々に戦力が殺がれている。
「下がれ!」
砲撃で肩を負傷した部下を後方に引き下がらせ、政宗は唸り声を上げた。
「政宗様」
「No problem。大丈夫だ、小十郎」
その時だった。
くん、と鼻をひくつかせた政宗が叫んだのだ。
「全員下がれ!デカイのが来る!Hurry!!!」
急げという上官の命に慌てて兵達が後方へ走り出した。
「政宗様!」
「小十郎!急げ!」
二人も後方へ全力で走る。

どおん。

そんな彼等を追いかけるようにして、僅かな間の後に耳許すぐ近くで凄まじい爆発音がした。
鼓膜が破れそうな轟音だった。
咄嗟に身を投げ伏せた小十郎の頭上に爆風で舞い上がった砂塵がパラパラと降ってくる。
「テメエら無事か?!」
もうもうと巻き上がる砂埃で視界が遮られている。小十郎は味方の無事を確認せんと声を張り上げた。その声に呼応して弱いながらも次々に声が返ってくる。
だが、ほっとしたのも束の間だった。
「政宗様?」
政宗の声だけがしない。
「政宗様!政宗様!」
視界を遮る砂埃が邪魔だった。
じりじりと焦燥感ばかりが募る。小十郎を苛んでいく。
(政宗様…ッ)
ぼんやりと視界が晴れた。
周囲を見回す。唯一の、その姿を捜す。
(政宗様…ッ)
「ま…」

乾いた大地に投げ出された躰を見つけた時。


「政宗様ー!!!」


小十郎は悲鳴をあげた。

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