人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

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222.にゃあ【戦国BASARA2:小政】

伊達家直轄の港に現在寄港しているのは、西海の鬼・長曾我部元親の船である。海賊の血が騒いだのか、平穏な時分は時々こうして航海に出るらしく、ひと月ほど前に届いた書状に『竜に頼まれたものを置き方々寄らせてもらう』とあった。
鬼に何を頼んだので?と改めて書状を読み直し、主に訊ねれば、茶器を頼んだという。
「ああみえて、アイツのセンスはいいんだぜ?ひとつ目のくせに、目が肥えてる」
「畏れながら。鬼の感性が如何ほどのものか存じませぬが…この小十郎、政宗様ほどの感性の持ち主を知りませぬ」
「Ha!ha!嬉しいことを云ってくれるじゃねェか、小十郎」
風流に通ずる主を唸らせるくらいだ。確かに目利きは本物なのだろう。
「元親の船が港に入ったら、当座の食糧と水と酒を積んでやれ」
「承知しました」
互いに隻眼、そして似たような気性の所為だろうか。政宗と元親はウマが合うようで、正式に両軍で同盟を結んだ訳ではないのに、半ば公然と行き来している。
それはそれで小十郎を悩ませているのだが、ヤンチャな大将二人はどこ吹く風だ。
勿論、双方とも一軍を率いる身であることまで忘れてはいないので、敵同士になれば情を断ち切り戦場にて刃を交わす。頭の切り替えの早さと潔さは、群雄割拠のこの時代を生きる者には必要なことだった。
そうして。
小十郎は政宗の勅命を受け、積荷の荷下ろしと荷揚げの陣頭指揮を執るべく港にいた。
「荷はこれだけか?」
「へい、然様で」
書付を片手に人足たちへ確認する。確認が済んだ荷から次々と政宗の待つ城へと運ばれて行った。
船の男たちも舌を巻く、見事な手際の良さだ。
「竜の右目は有能なこった」
「褒めても何も出ねぇぞ」
感心しきりに告げた元親に対し小十郎がそう返すと、元親は「別に期待してねえよ」と鷹揚に笑った。
「そうだ。ついでと云っちゃあなんだが、も一つ土産があるんだ」
「土産?」
「おうよ。ほれ」
そう云って元親が小十郎の鼻先に突き出したのは、仔猫だった。
聞き分けがないのか、それともこんな小さなうちから暴れん坊の片鱗を見せているのか、ミイミイ鳴いて小さな足をバタつかせている。
「猫は船の守り神でな。俺の船にもいるんだが…ガキを産んじまってよぉ。一匹貰っちゃくれねぇか?」
貰ってはくれないか、と一応殊勝にお伺いはたてているのだが、実際は押し付けである。
「まあ…猫の一匹や二匹、同じようなモンだろ?」
「…どういう意味だ?」
ギロリと元親を睨みつけるが、生来鷹揚な性質らしくあまり意に介していないようだ。
「政宗も充分猫っぽいじゃねぇか。気紛れで我儘でよぉ」
カラカラと笑い、元親は云った。



最初は毛玉が転がっているのかと思った。
「Hey、小十郎」
書状を抱えた小十郎を呼び止める。
政宗は、「どうなさいました?」と首を傾げる小十郎を睥睨し、その足許を指差した。
先ほどから目障りなほど纏わりついているのである。
「…ソイツは何だ?」
「ああ、コイツですか。なんでも長曾我部の船の守り猫が仔猫を産んだとかで…一匹貰っちゃくれないかと置いていったんです。異父姉上にでも世話を頼もうかと思ったんですが、どうにも懐かれちまったようで」
ほう、と左眼を眇めた。
纏わりつくものだから、うっかり踏みつけてしまいそうだと小十郎は迷惑そうに云うのだが、珍しく柔らかな表情をしているところから察するに、云うほど迷惑だとは思っていないのだろう。
一応、主の手前というところか。
視線が足許に注がれる。
「小十郎、ちィとそこに座れ」
「…はあ」
脇息に寄りかかった政宗は手にした扇子でトン、と畳を叩いて小十郎に座るよう促した。
小十郎が裾を捌いてその場に座すと、今まで足許に纏わりついていた仔猫は心得たように小十郎の膝の上に乗ってきた。
暫くの間、膝の上で納まりがつく場所を求めてもぞもぞ動いていたが、漸く見つけたのか「ニャア」とひと鳴きすると丸くなった。
それを見て、ひくり、と政宗の頬が引き攣る。
(いい度胸してるじゃねェか、猫の分際で…ッ)
知らず扇子を持つ手に力が入り、政宗の握力に耐えかねた扇子の柄が軋んでミシリと嫌な音をたてた。
「政宗様?」
訝しむ小十郎に向かって「面白くねェな」と呟いた政宗は、脇息を脇に退けて膝を進めてきた。
そうして、小十郎の膝の上で丸まっている仔猫の首根を無造作に掴むや、ほいっと脇に抛りだした。
これには仔猫もミャアミャアと抗議の鳴き声を上げる。
「Get out!」
そんな仔猫の抗議をひと睨みで去なし、今度は自分の頭を小十郎の膝の上へ乗せた。
フン、と鼻を鳴らす。
「ここは俺の指定席だ」
「政宗さま、」
やれやれと呆れたような溜息をついて、小十郎は微苦笑を浮かべた。
「たかが仔猫でございますぞ?」
「猫だろうが何だろうが関係ねェよ」
小十郎は俺のモンだっていうのを判らせねェとな!と政宗は髪を撫でる小十郎の手が気持ちいいのか、目を細めて答えた。
「斯様なことを申されずとも…小十郎はもとより政宗様のものでございますよ」
「…お、う」
政宗の目許に仄かに紅が散った。



盗られるとなったら、たとえ仔猫であろうと全力で阻止する竜であります(苦笑)。
カワイイやきもち、というところでしょうか。
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