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人生楽ありゃ苦もあるさ

日々のつれづれや大好きなものを力いっぱい叫ぶ代わりに書き綴っています。サイト更新情報や、時々BASARA二次創作(小政、家政メイン)も。 

114.とても、とても【戦国BASARA2:小政+成実、綱元】

やれやれと肩を竦めつつ、彼らは少し離れた位置から盛大に群がる一群を見遣った。あの野郎どもの群れの中心には、伊達軍の者ならば崇拝して已まない、彼らの主であるところの〈独眼竜〉こと政宗がいる。
それしても。
今日一日台所に籠って何をしているのかと思えば…。
「…泣かせてくれるよねぇ、まったくウチの筆頭は」
苦笑混じりに成実が呟く。そんな彼の手には饅頭。
成実に相槌を打って返した傍らの綱元の手にもまた、同様に饅頭があった。
「政宗様の南蛮かぶれにはたまに頭を抱えたくなる時もあるが…、」
「そうだねぇ、俺も時々梵がナニ云ってんのか判らない時があるケド…、」

『南蛮の書物で知ったんだけどよ、今日って“愛する人に甘いものを贈る日”なんだぜ?』

だから。

『俺が愛する…っていったら、伊達を支えてくれるお前たちじゃん?』

そんな風に云われたら。
命を張ってでも、この人についていこうと思うではないか。たとえこの先道半ばで命が潰えるとしても、この人が掴み獲る世界の礎になれればいい、と。
「…こんな習慣があるとは、南蛮に感謝だな。我らの結束も強まる」
「うん。但し…小十兄は大変そうだけどね」
政宗手製の饅頭を貰おうと我先に群がる部下たちを、容赦なくあの強面と怒声と泣く子も黙る威圧感で以て整理している。
「テメエら騒ぐんじゃねぇっ!数はあるからおとなしくしろ!」
一刻も早く政宗の手から饅頭を貰いたいと気が急くのだろう。その気持ちも判らないではない。だが、その急いた気持ちが政宗に向かって殺到し、彼に怪我でもさせては堪らない。
そんな想いが判りやすく表情にまで滲み出ている小十郎は、現在〈鬼〉と化していた。
小十郎の状態を考えると、もしこの騒ぎで本当に政宗に怪我をさせようものなら、その者の命の保障はできかねる。
〈奥州筆頭〉を心酔している連中に向かってこの状況で箍を外すな、という方が無理かもしれないが、戦以外で人死は出したくないなあ…というのが成実や綱元の切なる願いであった。できれば穏便に済んでほしいものだ。
「Calm down, guys…小十郎の云うとおり数は充分にあるから心配すんな。ちゃあんと一人一個ずつ手渡るぜ」
だから、俺の愛を受け取れよ?
政宗の声に、うおーっと其処彼処から男どもの歓声が上がる。伊達軍の気合いのボルテージは半端ではない。
「筆頭ーっっっ!!!」
「愛してますぜー、筆頭ー!!!」
次々と『愛してますぜぇ』の大合唱。当然、その声を浴びる政宗は満更ではない。
だが。
ビキッと小十郎の顔が強張った。キッチリと撫でつけている前髪が一房、ハラリと垂れる。
その様を見逃さなかった成実と綱元が、同時に小さく「あっ」と声を発した。
「どさくさ紛れに云っちゃってるよ、あいつら…」
「さっくり踏んだな、地雷を…」
案の定、愛してるコールにキレた小十郎が『今政宗様に“愛してる”と云った奴、前に出ろ!前!』と吼えていた。
「でもねえ…、」
騒々しい彼らを見遣りながら、クスクスと笑った。
「小十兄ばっかズルイじゃん?」
小十郎が政宗の特別で、小十郎への〈愛〉が自分たちへの〈それ〉とは明らかに質が異なると判っているけれど。
「そうだな、確かに狡い話ではあるな」
だって。

───俺たちだって負けないくらい筆頭愛しちゃってるんだし?

とても、とても。
愛しいひと、なのだから。




先日更新したバレンタイン仕様小政SS「KEEP OUT」のその後。
「KEEP OUT」で小十郎のために作った饅頭(あの日たまたま日光の「ゆばまんじゅう」を見たので、ゆばまんじゅうになった…)とは別のフツーの饅頭がその他大勢用です。>あくまでも小十郎は〈特別〉だから。

この後、たぶん伊達軍の面々は筆頭に云われるんですよ。
「ひと月後はテメーらが俺にお返しするんだぜ?」

…ひと月後が大変です。


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